クルマを持っていたらイヤでも訪れるタイヤ交換。お店で処分してもらうのがほとんどだが、我々が使ったタイヤは一体どこにいくのか!? そのまんま分解してさよなら!? いやいや、じつは超絶エコなサイクルが完成しているのだった。マジで感動モノっす!!!!!
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC
■燃料として第二の人生を歩む廃タイヤ
実は廃タイヤの99%以上は有効利用され、廃棄物はわずか。その利用目的として最も多いのが燃料としての利用。特に製紙工場での利用が多く、廃タイヤ全量の6割以上を占める。
ペーパーレス化の影響で製紙工場の利用量が減少傾向にあるとはいえ、高い割合を占めている。次いで化学工場、セメント工場の順。利用目的は製紙工場と同じ燃料利用だ。
山積みの廃タイヤからはあまり想像がつかないが、タイヤのロングライフ化に加え、物価高による消費者や企業マインドの低下等でタイヤの販売量が低下。その結果、燃料利用としての廃タイヤが不足しており、海外から廃タイヤの切断品や破砕品を輸入しているという。
燃料以外では建設資材や園芸用資材への利用が多い。その他、割合は少ないものの、クルマのフロアマットや靴底、タイヤの遊具、サーキットで緩衝材となるタイヤバリアなどにも利用されている。
近年では廃タイヤを細かく粉砕したチップから分解油や再生カーボンブラックを生成する熱分解が新たな処理方法として確立。全体の利用量からみるとわずかな量だが、SDGsとしても今後の普及に期待されている。
■廃タイヤの処分料は輸送費や加工費、売値の関係で決まる
ご存じの通り、ユーザーがタイヤを廃棄する際には処分料が必要だ。その相場は300~500円/1本だったが、近年、サイズによっては1本につき700~1000円位が必要なほど高騰している。原材料の高騰によるタイヤの値上げは仕方ないとしても、処分料まで値上げされるのは納得し難い人も多いだろう。
処分料高騰の要因は輸送費の高騰とタイヤチップの売値下落にある。輸送費の高騰は燃料費の影響だが、タイヤチップの売値下落は古紙や廃プラスチックを原料とした安価な固形燃料の台頭が要因といわれている。タイヤチップの売値下落は廃タイヤ処理業者の輸送、加工コスト負担に影響するため、処分料を上げせざるを得ない状況になっているのだろう。
そんな状況を反映してか、年々減少していたタイヤの不法投棄がここ2、3年は停滞気味。廃タイヤの不法投棄がなくならない一方で、燃料利用の廃タイヤを輸入しているとは何とも皮肉な状況ではないか。環境保全の観点からも、タイヤを処分する際はタイヤショップや自治体へ依頼するなど、然るべき対応をとってほしい。
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