三兄弟で月に4万台も売れた! 昭和のGX71型マークII/クレスタ/チェイサーがメガヒットした理由とは 今いくらで買える?

三兄弟で月に4万台も売れた! 昭和のGX71型マークII/クレスタ/チェイサーがメガヒットした理由とは 今いくらで買える?

 今から30年以上前に、マークII、クレスタ、チェイサーの三兄弟合わせて月に4万4593台も売っていた時代があった。そう、50代以上のおじさんなら懐かしい、X70系(GX71)の時代である。なぜこれほど売れたのだろうか? 

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ

■マークII三兄弟が全盛だった時代

1984年8月にデビューしたGX71マークII。バブル時代へ坂を駆け上がるような時、ハイソカーブームの真っ只中だった。写真はマークIIハードトップのグランデ
1984年8月にデビューしたGX71マークII。バブル時代へ坂を駆け上がるような時、ハイソカーブームの真っ只中だった。写真はマークIIハードトップのグランデ

 セダンが売れなくなって久しい。2019年12月に生産終了したマークXの最後期は、1年間でたった8000台あまり、それに比べて今回取り上げるX70系(GX71)のマークII、クレスタ、チェイサー三兄弟の全盛期の最高月販台数は、1987年3月、マークIIが2万5514台、クレスタが1万1556台、チェイサーが7523台だった。三兄弟合計が4万4593台と驚異的な数値だ。

 ちなみにクラウンの2023年の年間販売台数は4万3029台だから、マークII三兄弟は1カ月でクラウンの年間販売台数を売り上げたということになる。

 2024年3月の月販台数を見ると、1位はカローラが1万8831台、2位ヤリス1万7677台、3位ノート1万2731台、クラウンが7432台。いかにマークII三兄弟が売れていたのかがわかる。

クレスタはハードトップからフォーマルなセダンボディに生まれ変わった
クレスタはハードトップからフォーマルなセダンボディに生まれ変わった

 当時は、ハイソカーブームの真っ最中。ハイソカーブームの火付け役となった1981年に登場したソアラだったが、ソアラはあくまで憧れの頂点。

 販売台数から見て爆発的なヒットとなったのは、それよりはややお求めやすい価格の4ドアハードトップ、マークII/チェイサー/クレスタの、いわゆる「マークII三兄弟」だったのだ。

■マークII三兄弟はなぜ大ヒットしたのか?

X70系チェイサーは1984年8月~1988年7月まで販売。チェイサーはハードトップのみ
X70系チェイサーは1984年8月~1988年7月まで販売。チェイサーはハードトップのみ

 というわけで、ハイソカーブームの主役だったマークII三兄弟(X70系)は売れに売れたのだが、その人気の要因はなんだったのか?

 まずはスタイリングだ。マークII三兄弟(X70系)のスタイリングは、日本人の美意識にはまったのだ。家具や調度品のようなクリーンな直線基調がウケたのだ。しかも実用的な4ドアで、ちょっとスポーティなハードトップという点も人気の要因だったのではないか。

ゴージャスなマークIIのモケットのインテリア。香水の入っている瓶を置いていた人も多いはず
ゴージャスなマークIIのモケットのインテリア。香水の入っている瓶を置いていた人も多いはず

 モケット地の豪華ソファも思わせるゴージャスなシート(キャバレーにあるような豪華さがあった)もよかった。今思えば、あれがよかったのかも。本革シートはあるが、当時のゴージャスなシートは今見渡してもあまりない。

 そしてボディカラーのスーパーホワイトも売れた理由のひとつ。ハイソカーの代名詞、初代ソアラで初採用されたスーパーホワイトは、遅れてマークII三兄弟にも採用された。いわばスーパーホワイトの大衆化といってもいいだろう。これに多くの国民が飛びついたのだ。ちなみに現在も、ボディカラーの人気色は、白、黒である。

 最後は速さである。マークII三兄弟(X70系)の主力エンジンは、2L直6の1G-GEU。直6というだけでかなり贅沢だったが、このエンジンは1気筒あたり4バルブのDOHC! 最高出力は160psを誇り、ライバルである日産のL型やVG型を寄せ付けなかった。

インタークーラー付きターボを装着した1G-GTEU型ツインカムツインターボエンジン。1985年10月にGTツインターボに搭載された。185ps/24.0kgmを発生
インタークーラー付きターボを装着した1G-GTEU型ツインカムツインターボエンジン。1985年10月にGTツインターボに搭載された。185ps/24.0kgmを発生

 1985年には、日本車初のツインカムツインターボ(2Lで185ps)、1GーGTEUも登場。友人所有のGX71マークIIツインターボに乗らせてもらったことがあるがアクセルを思いっきり踏むと、体がシートに押し付けられるほど凄かった。

 その後、X80系に続いて、1996年10~2001年10月まで販売されたJZX100系チェイサーツアラーVが人気に。FRで280ps/38.5kgmを発生する1JZ-GTE型2.5L、直6エンジン+5速MT(4速ATもあり)は、いまだに人気が衰えることを知らない。

 チェイサーツアラーVにもときめくが、やはり、ハイソカーの真っただ中に20代の青年だった筆者は、GX71のマークIIグランデかGTツインターボ、スーパーホワイトをいつかは買いたいと思っている。

 ということで、大手中古車情報サイトで検索して見ると、GX71マークIIの流通台数は15台あまり。価格帯は128万~360万円。もっとも高いのはグランデツインカム24、5速MTの360万円だった。価格幅が大きくてなんともいえないが、ちょっと高くて手が出ないなあ~。

【画像ギャラリー】憧れのGX71系マークII、クレスタ、チェイサー三兄弟の写真をチェック!(5枚)画像ギャラリー

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