ハイブリッドで価格差を回収するには10万km程度必要
ハイブリッドは後輪をモーターで駆動するE-Fourのみの設定だ。従って直列4気筒2.5Lノーマルエンジンも、4WDを基準に比較する。
そうすると装備の違いを補正して、ハイブリッドは60万円高い。先に上げたV型6気筒3.5Lを10万円上まわるわけだ。
ハイブリッドは、2.5Lノーマルエンジンに比べて価格が60万円高い代わりに、税金が安く燃費もいい。税金の計算は2019年10月1日に消費増税が行われて変わるが、目安としてそれ以前の金額も挙げておこう。
2.5Lノーマルエンジンを搭載したS(7人乗り)の場合、購入時に納める自動車取得税と同重量税の合計額は約16万円だ。ハイブリッドはエコカー減税が免税(100%の減税)だから、両タイプの実質差額は44万円に縮まる。
そこでレギュラーガソリン価格を1L当たり140円、実用燃費をJC08モードの85%として計算すると、1km当たりの走行コストは2.5Lノーマルエンジンが13.7円、ハイブリッドは9円だ。ハイブリッドは1L当たり4.7円の節約が可能で、44万円の実質差額を取り戻せるのは、9~10万kmを走った頃になる。
4WDのニーズがあり、なおかつ1年間に1万5000km以上を走るユーザーなら、ハイブリッドを選ぶ価値も生じる。
ただしハイブリッドの価格は400万円を大幅に超えるため、最も販売比率の高いエンジンは2.5Lノーマルタイプだ。
シートにも大きな価格差がある!!
2列目シートの価格も算出した。最も安いのは、8人乗りのベンチタイプだ。リラックスキャプテンシートと呼ばれる7人乗りのセパレートタイプは、価格が約4万円上昇する。さらにパワーリクライニングやパワーオットマンを備えたエグゼクティブパワーシートは、装備の違いを補正すると17万円の上乗せだ。
そしてエグゼクティブラウンジシートは、さらに豪華になってシートのベンチレーション機能や読書灯なども備わり、70万円前後の上乗せになる。車両本体の価格も、カーナビなどが標準装着されることもあり、一気に700万円を超えてしまう。
エグゼクティブラウンジシートを備えたエグゼクティブラウンジというグレードは割高だ。
さてベストグレードだが、機能と価格のバランスだけで選ぶと、価格が最も安い2.5LノーマルエンジンのX(337万6080円)になる。ただしこのグレードは2列目シートがベンチタイプのみになり、実用指向が強すぎて情緒に欠ける。
そこで最も推奨されるのは、エアロパーツなどを備えた2.5LノーマルエンジンのS(375万7320円/7人乗り)だ。7人乗りなら2列目がセパレートタイプのリラックスキャプテンシートになり、手動式ではあるがオットマンなども備わる。
ハイブリッドもS(463万2120円)を推奨するが、4WDになって装備も充実するから、価格は87万4800円高い。先に述べたように4WDを使う機会があり、走行距離も伸びるユーザーに適する。
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