■エンジン内部にまで手を加えるほどの本気度
エンジンは1.2LのCR12DEを使いながら、ピストンをSR12専用にして圧縮比を9.8から11.5へと変更したほか、高回転型カムプロフィールの採用や排気マニホールド径の拡大などを実施している。
低排圧キャタライザー、専用構造のマフラーを加えて排気効率を高めることで、最高出力はベース車から20%アップの79kW(108PS)を実現し、最大トルクは12.3kgmら13.7kgmへと引き上げられた。
K12型マーチには1.2Lエンジンのほか、1L、1.4L、1.5Lも設定されていたが、CR12DEを選んだ理由としては、ショートストロークかつクランクシャフトの剛性が相対的に高いという特徴を持つことが挙げられる。これには、パワーアップはもとより、高回転まで爽快に吹き上がる特性を重視したオーテックジャパンの意向があったと言われている。
パワーが増強されたことに加え、レスポンスのよさや専用エキゾーストシステムが奏でるサウンドと吹き上がりのよさは、チューニングによって引き出されていることがわかっていても驚かずにはいられないほどの出来栄えだった。
トランスミッションは5速MTのみの設定で、ハードなチューニングが施された結果、燃料はハイオク指定となっている。
シャーシのチューニングについても、専用スポーツチューンドサスペンションとブリヂストン製ポテンザRE-01(185/55R15 81V)の採用をはじめ、前後のスタビライザーをサイズアップしたり、ブレーキローターをティーダから流用するなど多岐にわたる。
また、エンジンの高出力化に伴いボディ剛性の向上を図るために専用テールクロスバーを奢り、空力性能を考慮してエアロパーツと専用フロントエアスパッツを装備。こうしたチューニングによって、人車一体のキビキビした走りを実現し、狙い通りクルマを操る楽しさを提供してくれた。
コメント
コメントの使い方