2023シーズンもイケイケなGT300の56号車リアライズ日産自動車大学校GT-R。第6戦鈴鹿は100kgのハンディウエイトを積んで挑んだ夏の陣だったが結末は……悔しいぞ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:塩川雅人(ベストカー)
■100kgのウェイトにも負けじと走り出す
56号車は予選はQ2に進出し予選9位を獲得。これまでの好成績の結果として100kgのハンディウエイトを搭載することになったが、それを考えれば9位スタートは決して悪い話ではない。
8月も下旬ともなったが暑い日差しが注ぐ鈴鹿サーキットには多くのファンが駆けつけた。56号車のスタートドライバーは名取鉄平選手。2023シーズンから56号車に乗るが、すでにマシンへの理解も充分進んでおり、その走りも安定感に溢れている。
9位スタートからみるみる強い走りで順位を上げていく。100kgのウェイトを積んでいることでやはり荷重移動については非常に繊細で、S字をはじめテンポよく走る必要がある鈴鹿ではかなり大変なドライブなはずだ。
名取選手は5位ほどまで激走で順位を上げた。100kgのウエイトの影響を感じさせない力強い走りはもはや無敵とも思える走りだった。24周目でピットインし、ドライバー交代を実施。ベテランのオリベイラ選手にバトンを託す。
■4位まで順位を上げ表彰台が見えてきたのに!!
長年のモータースポーツファンからすれば、ややヤンチャな走りのイメージもあるオリベイラ選手だが、56号車ではメリハリのある走りで非常に手堅いリザルトをもたらす。
鈴鹿でも名取選手から15位で受けたバトンを確実にゴールまで繋ぐために、慌てずに確実にチャンスを伺う走りを見せていた。まさに「振り返れば奴がいる」状態のドライビングで気がつけばあっという間の5位までポジションを上げていた。
しかしレース終了まで残り27周となった50周目に西ストレート付近で右リアタイヤが脱落。3輪走行で130Rを超えてグラベルにクラッシュする形で止まった。
幸いなことにドライバーは無事だったものの、これは非常に厳しい結末となってしまった。ただまだまだシーズン王者への道が途絶えたワケではなく、可能性は十二分に残っている。
サポートする日産自動車大学校の学生の目にも涙が溢れていたが、今後の成長の糧になるだろう。楽には勝たせてくれない、それがレースなのだ。
コメント
コメントの使い方supra勢もウエイトには本当に苦労させられましたし、総合優勝つかんだと思われた最終レース最終ラップでの燃料噴射低下による大逆転負けもしてますから、気持ちはよくわかります
ミスと言いたくないようなほんの僅かなミスで、勝利もポディウムも無情に消えていく世界
それほどにひしめきあった超レベルの高い競技だからこそ、断トツの人気を誇り、観客も参加者も熱狂するモータースポーツなんだと思います