2017年7月6日、ホンダのグレイスがマイナーチェンジを実施した。
……と言っても残念ながら、車好きのあいだで話題騒然だとか待望の大型新人とかではない。ないがしかし、じっくり見るとこの車、なかなかカッコいいじゃないですか。
スペックやコンセプトをじっくり見ると、あぁわかった。この車、大好きだったかつてのシビックに似ているんだ……と思い至りました。
文:ベストカーWeb編集部 写真:HONDA
■世界戦略車であり、34.8km/Lを達成
ホンダの5ナンバーセダン、グレイスがマイチェンを受けて新型に切り替わった。
ザッとグレイスの紹介をしよう。まずグレイスの初登場は2013年11月、セダンの世界戦略車としてアジア・オセアニアに幅広く投入されるべく、「4代目シティ」の名前でインドで初披露されている。
日本投入は2014年12月。フィットハイブリッドやヴェゼルハイブリッドと同じシステムを搭載する、ハイブリッド専用セダンとしてデビューした。その後、2015年6月にガソリン仕様も追加
(なおこのガソリン仕様のグレイスは教習車として全国で活躍している)。
上記のとおり、世界戦略車であり、アジア・オセアニアで幅広く販売している4代目シティとボディは共用しているが、生産はフィットと同じ埼玉製作所寄居工場製。内装も上品な仕上がりで、使い勝手もよい。
今回実施されたマイチェンでインラインタイプのLEDヘッドライトを採用し、前後のバンパーデザインを変更。ハイブリッドグレードの燃費を向上してJC08モード燃費で34.8km/Lを達成。
ホンダの先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」を採用した。
■このクラスのセダンには需要があり続ける
さて冒頭で記したとおり、このグレイスという車を紹介するとき、本企画担当はどこか懐かしい匂いがした。そう、ホンダの5ナンバーセダンというと、シビックを思い出すのだ。
グレイスの価格はガソリン仕様で176万9040円〜198万5040円(実質的には廉価版ということだ)。ハイブリッド仕様でも197万9640円〜256万9320円。
今秋発表される新型シビックは、私が愛した頃のシビックより遙かに大きく重くなってしまったけれど、グレイスは「ちょうどいい大きさ」と「ちょうどいい価格」を持ち続けているのである。ああ、なんだか別れた恋人を懐かしむような切なさと情けなさがある。
ともあれ続けよう。
マイチェン後のグレイスの月販目標台数は1000台/月。2017年1〜5月の累計販売台数が3307台だったことを考えると、妥当な数字だろう。
かつて一世を風靡した名車中の名車シビックに販売台数では遠く及ばないが、それでもこういう車がホンダにあり続けることで、
ふと懐かしく思い出す暖かい気持ちの受け皿になってくれることや、何より「このクラスのセダン」を望む人たちの需要を満たし続けてくれることが嬉しい。
がんばれグレイス。応援します。
コメント
コメントの使い方