次期モデルの存在は早々と明言
しかしBRZや86を買う人達は、両車が姉妹車であることを知っている。両車の生産や納期に関して、販売店の情報が食い違うと、不安に感じることもある。ある程度は足並みを揃えたい。
そして気になるのは、BRZと86が生産を終えた後の動向だ。これに関してトヨタとスバルは、2019年9月に新たな業務提携に合意したと発表した。
その内容に「両社の強みを持ち寄り、最高に気持ちのいいAWDモデルを共同開発」、「トヨタ86とスバルBRZの次期モデルを共同開発」という事柄が挙げられた。
つまり次期86&BRZの共同開発は、すでに進められている。登場時期は、スバルの販売店でも聞かれたとおり2020年中は考えにくい。2021年に入ってからだ。
ベストカースクープ班は「2021年3月にフルモデルチェンジ」という情報をつかんでいる。
3月は決算期で販売現場が多忙をきわめるため、大量に売れる車種は1月、あるいは4月以降の発売が多い。86&BRZの場合、発表は3月に行い、納車を伴う発売は4月以降になる可能性もある。
いずれにしろ業務提携の合意内容として公表されているから、2021年前半には登場しそうだ。
トヨタの狙いは減価償却しつつ走りを熟成
次期86&BRZのプラットフォームは、サスペンションも含めて現行型を踏襲する。水平対向エンジンをほかのスバル車よりも車両の中央寄りに搭載するレイアウトは、前後輪の重量配分が優れる半面、ほかの車種には応用しにくい。
エンジンの搭載位置により、4WDの採用も困難だ。専門性の高いプラットフォームで、86とBRZはスポーツカーに属するから、販売が世界的に伸びない。
そこで現行型は2012年の登場ながら、償却も考慮すると、次期型も現行型と同じプラットフォームを使う。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2570mmで現行型と同じだ。
それでもプラットフォームの熟成という意味では注目される。特に86とBRZは運転感覚が微妙に異なり、実質的に1つの車種(姉妹車)なのに、トヨタとスバルがそれぞれの別の視点で走りの進化に取り組んできた。
両車とも頻繁な改良を経て解析も進み、熟知されたプラットフォームに仕上がっている。
次期86&BRZは、ボディサイズや外観デザインではあまり変わり映えがしないが、走りは相当に熟成されるだろう。
新型には待望のアイサイト搭載
装備では安全面が進化する。従来型に設定のなかった衝突被害軽減ブレーキが採用されるからだ。
BRZにアイサイトが装着されない理由をスバルの開発者に尋ねると、「BRZでは、フロントウィンドの角度とステレオカメラを設置可能な高さの制約により、アイサイトの採用が困難だった」と述べている。
次期型ではこの点を見直してアイサイトを装着する。
アイサイトには車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなど、運転支援機能も備わるから、スポーツカーにとって大切な長距離移動時の快適性も向上する。疲労が抑えられるため、運転支援機能も安全性の向上に役立つ。
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