2023年秋にスクープしたMR2後継となるトヨタのミドシップスポーツ。そのデザインに関する新情報を入手。なんと「ダブルデッキ」と「クーペテイスト」の2つの案で進められているという。詳細をお伝えする!!
※本稿は2024年1月のものです
文、予想CG/ベストカー編集部、写真/TOYOTA UK、FavCars.com
初出:『ベストカー』2024年2月26日号
■ついにミッドシップスポーツ「MR2」復活か!?
GRヤリス&GRカローラの直3、1.6Lターボエンジンを搭載するトヨタの新たなミドシップスポーツが2026年に登場する。
その衝撃スクープを本誌で報じたのは昨年10月のこと。トヨタとしては、GRヤリスのコンポーネンツをもっと有効に、幅広く使いたいという狙いがあるとともに、日本国内でのGRヤリスの存在感が想定よりも高まっていないというジレンマもあるようだ。
端的にいえば、トヨタ久々のミドシップスポーツ、つまり「MR2復活」という華々しい花火を打ち上げたいということだ。86、スープラに続くトヨタスポーツ復活第3弾である。
膨大な資金力のあるトヨタにしかできない戦略。今や、フルラインナップメーカーのなかで最も走りにこだわっているブランドになった感のあるトヨタだからこその計画なのだ。
前回お伝えしたのは、このクルマは最初にハッチバックタイプのミドシップスポーツとして企画され、その後、MR2後継のイメージを明確にする、背の低いスポーツカータイプに変更されたという情報だった。
ハッチバックタイプは、1980年代中盤のWRCグループBで活躍したプジョー205ターボ16やルノー5ターボなどを彷彿させ、GRヤリスのラリーイメージと合う。
しかし、2022年10月に登場し、限定500台を完売したGRMNヤリスとの差異が出しにくく、また「マニアックすぎて一般的でない」という経営陣の意見もあって、方針転換されたのだ。
■コンパクトだが、大きく見えるデザイン
こうしてボディ形状の方向性はミドシップの王道ともいえるスポーツカータイプで決まったわけだが、デザインに関して編集部がつかんでいた情報はここまで。
すでに試作車も作られ、精力的に走行テストを繰り返しているという話は聞いていたが、デザインは正直に言って「よくわからない」という状態だったのだ。
しかし、年明け早々に新たな情報が入ってきた。現在、2つのデザイン案が進行しており、そのどちらかで決まるというものだ。
背の低いスポーツカータイプであることは決定済みなので、2つのデザイン案の違いはディテールの部分かと思いそうだが、実はかなり大きなところなのだ。リアセクションを2パターン試そうとしているのである。
ひとつはエンジンフードとトランクフードを別々に設定するダブルデッキ型で、もうひとつはシングルデッキ型。このシングルデッキ型は流麗なクーペデザインに近づくため、ここでは「クーペテイスト」と呼ぶことにする。
ダブルデッキ型は初代AW10/11型、2代目SW20型のMR2でも採用されていた、いわば伝統の形状。MR2の復活をアピールするならこちらを選ぶのが王道といえるが、別の案もあるというのは、そこに縛られないということか。
一方、シングルデッキのクーペテイスト型はリアにトランクスペースのないフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーによく使われているタイプだが、現行コルベットなど、リアにトランクがあるクルマでも、ひとつのフードで両方を覆っているケースもある。
両者の違いがわかりやすいのはNSXで、初代はダブルデッキ、2代目はシングルデッキとしていた。
リアセクション以外にもデザインの情報は入ってきている。情報提供者によると、フロントフードは低く、フェンダーの厚み(天地幅)も少ないが、Aピラーは意外と立ち気味だという。
また、リアのエアダクトはリアフェンダーの上方に置かれていて、吸気効率を重視していることが窺えるとのこと。随所に丸味を活かした印象で、ボディサイズは意外とコンパクト(全長4400mm、全幅1850mm前後と予想)なのに、大きく見えるデザインになっているという。
トヨタ MR2後継ミドシップスポーツ 予想スペック
・全長×全幅×全高:4400×1850×1230mm
・ホイールベース:2600mm
・車両重量:1300kg
・エンジン:直3、1.6L・DOHCターボ
・最高出力/最大トルク:320ps/42.0kgm以上
・駆動方式:MR
・トランスミッション:6MT/8AT
・予想価格:1000万〜1100万円
・予想登場時期:2026年
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