チューニングすると、ドッカンターボに拍車が掛かるR32型スカイラインGT-R
続いて平成のドッカンターボとして紹介するのは、同じく日産のR32型スカイラインGT-R。1989年8月に16 年ぶりの復活となったスカイラインGT-Rは最高出力280ps、最大トルク353Nmを発生するRB26DETT型2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載している。
駆動方式には、ハイパワーなエンジンを余すことなく使うため、FR ベースながら路面状況に応じた高度な電子制御で前後輪に自在に駆動力を配分する電子制御 トルクスプリット4WD システム「アテーサE-TS」を採用。
2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジンはノーマルの状態でも、低回転域のパワーが物足りないが、マフラーなどを交換するとさらに、低回転域のパワーがスカスカとなり、相当なドッカンターボなエンジンとなる。
それでも従来のドッカンターボと違うのは、シャシー性能の高さの賜だ。筆者が所有していたR32スカイラインGT-RはマフラーやCPUそしてクラッチを交換していたが、信号のスタートダッシュではターボが効くまでかなりのタイムラグがあったことを覚えている。
現在、R32型スカイラインGT-Rの中古車は約61台流通していて、平均価格は約641万円。中古車の価格帯は約465万〜約1,599万円で、高止まりしている。
ランエボも初期モデルはじゃじゃ馬のような扱いにくいクルマだった
そして平成のドッカンターボ車として最後に紹介するのは三菱ランサーエボリューション。2016年にエボリューションX(10)の生産が終了し、ランサーエボリューションだが、記念すべき初代ランサーエボリューションは1992年に登場した。
三菱は当時ギャランVR-4でWRC(世界ラリー選手権)に参戦していたが、苦戦していた。そのギャランVR-4に代わってWRC参戦車として開発されたのがランサーエボリューションだ。
全長4,310mm×全幅1,695mm×全高1,395mmというコンパクトなボディに、ギャランVR-4からさらにチーニングを施した最高出力250ps、最大トルク31.5kg-mを発生する4G63型2L直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載した。
軽量化や耐久性の向上を図るとともに、ピストン、コンロッドの軽量化、ピストンリングのフリクションの低減によりレスポンスの向上と高回転までスムーズに回るエンジンへとチューニングされた。
しかし、実際に乗ってみると最大トルクと発生する3,500回転以下のパワーが足りず、相当なドッカンターボだった。
このランサーエボリューションIからエンジンやシャシーは進化を遂げて、WRCをはじめとしたラリーシーンで輝かしい成績の残した。また、公道でも同じ2Lターボエンジンを搭載したスバルインプレッサWRXとともに高い走行性能を発揮し、上級車を手玉に取った。
現在、ランサーエボリューションIの中古車はわずか1台しか流通しておらず、価格帯は約297万円。エボI〜エボIIIまでの第一世代のランサーエボリューションは約7台となり、平均価格は約281万円。価格帯は約179万〜約378万円となっている。
こういったドッカンターボは扱いにくいのだが、これを乗りこなすことで、ドライバーは自分のスキルが高くなったという感覚を得られたのである。
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