日本メーカーは古くからWRC(世界ラリー選手権)に参戦してきた。特に4WDターボ全盛のグループA時代は改造範囲が狭いため、市販の4WDターボ車の性能の優劣が大きく影響するため、トヨタ、三菱、スバルがWRCを席巻した。
現在日本メーカーでWRCに参戦しているのはトヨタだけで、市販車の優位性の関係ないWRカーで争われているが、トヨタがホモロゲ取得のために4WDターボのGRヤリスを登場させ、クルマ界の話題を独占しているのはご存じのとおりだ。
同時にかつての名マシンのベースとなった4WDターボのラリーコンペティションにも注目が集まっているので、本企画では往年の名車の中古相場、タマ数などについて考察していく。
文:萩原文博/写真:TOYOTA、NISSAN、SUBARU、MITSUBISHI、LANCIA、STI
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4WDターボのラリーコンペティションは最強!!
1980年にフルタイム4WDを採用したアウディクワトロが誕生。
2.1L直列5気筒ターボ+クワトロと呼ばれる4WDを採用したアウディクワトロは翌年からWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、車両重量の重い4WD車は不利という戦前の評判を覆し、デビュー戦のモンテカルロは圧倒的な速さをみせながらリタイアとなったが、第2戦のスウェーデンラリーで優勝。
この時からラリーにおける4WD+ターボの優位性が実証されたのだ。
そして、国産車では、1985年に国産車初となるフルタイム4WD+1.6Lターボを採用したマツダファミリアが登場し、翌年からWRCのグループAカテゴリーに参戦し、1987年のスウェーデンラリーでは見事優勝を飾ったのだ。
その後、国産メーカーではトヨタがセリカGT-FOUR、スバルはレガシィ/インプレッサ、三菱はギャラン/ランサーと4WDターボ車でWRCに挑み輝かしい戦績を残した。
そして、2020年長年活躍したスバルのEJ20型が姿を消すいっぽうで、WRカーのホモロゲーションモデルとして、最高出力272ps、最大トルク370Nmを発生する1.6L直列3気筒ターボ+電子制御の多板クラッチの4WDシステムを採用したGR ヤリスが登場し注目を集めている。
そこで、今回はラリーで活躍した4WD+ターボモデルの中から中古車で手に入れられるモデルを紹介する。
トヨタセリカGT-FOUR
まずは、GRヤリスのルーツでもあるトヨタセリカGT-FOURから。
セリカGT-FOURは1985~1989年まで販売された4代目T160系、1989~1993年に販売された5代目のT180系。そして1993~1999年まで販売されたT200系の3モデルに設定されています。
トヨタ初のフルタイム4WD車として1986年に登場したST165型のセリカGT-FOURはオジサン世代には懐かしい映画「私をスキーに連れてって」の劇中で、雪原を疾走する姿が懐かしい。
さすがに流面形と呼ばれた初代セリカGT-GT-FOURの中古車は流通していないが、トヨタが1993~1994年に2年連続でWRCのマニュファクチャラーズタイトルを獲得するなど輝かしい記録を残した時のWRC参戦車、ST185型の2代目セリカGT-FOURの中古車はまだ手に入る。
わずか4台とかなり稀少車となっているが、中古車の価格帯は約128万~約298万円。最も高い中古車は世界限定5000台のGT-FOUR RCとなっている。
セリカGT-FOURの中古車の中心となっているが、1993年から販売されたST205型3代目セリカGT-FOURだ。
最高出力255psを発生する2L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、丸目四灯のヘッドライトが特徴だ。現在、3代目セリカGT-FOURの中古車は17台流通しており、価格帯は約50万~約245万円。
さらに価格が応談となっているが、2100台限定のWRC仕様車も1台だけ流通している。
こうして見るとまだ3代目のセリカGT-FOURはプレミアム価格とまでなっていないが、2代目セリカGT-FOURはプレミアム価格といえるレベルまですでに価格が高騰している。
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