株価は上がって景気が良いだの言ってますけど、みんなの財布は太ったのかなぁ? ボクは実感ありません。
それでも輸入車業界では500馬力&1000万円超のスポーツが話題。でも、誰もがそんな巨大パワーの車を乗りこなせるわけではなく、ましてや公道では使い切れません。
まぁ、贅を尽くせば夢が生まれることもわかるんだけれども、車が軽けりゃそんなにパワーがなくても楽しいのでは?
ということで、車重1トン、パワー150ps以下の軽快スポーツを、「走り」と「買い得感」の2点を軸に評価&採点。5台ともに200万円台で買えるのです。
文:松田秀士/写真:編集部、MAZDA
1〜3位 駆動方式もバラバラ! 個性豊かな軽量スポーツがランクイン
■1位 マツダ ロードスター
まずは1位から発表。ロードスター。これはもうライトウェイトスポーツの定番というか、グローバルでも高評価のスポーツ。
米国で2Lモデルにも試乗し、その時は「やっぱり2L良い!」と感じたのですが、その後MX-5カップのレースに出場し、このボディには1.5Lがちょうどいい、という結論に至っています。
つまりボディ剛性。なので、ルーフのあるRFは2LでもOK。ロードスターの素晴らしいところは、車体ロール(車体の傾き)を大切にしているところです。しっかりとロールさせて、荷重の移動を穏やかに、しかも必要最大量移動させてドライバーの意のままを実現しているところ。
そのために、コンパクトな車体ながらロール軸の移動をデザインしやすい前後ダブルウィッシュボーン式サスペンション。
さらに、トー変化とステアリングフィールにこだわり、ステアリングギヤボックス前置き前引き式と、走りにこだわるレイアウトを初代から踏襲している。これほど有言実行、コンセプト通りの乗り味を実現しているモデルは他にない。
◆ロードスター(249万4800-315万3600円)の採点
・走り/45点
・買い得感/43点
・合計/88点
■2位 ルノー・トゥインゴ
2位はルノー・トゥインゴ。はっきり言って、こんなステキなモデルは他にありません。車重1000㎏に対して90psと動力性能はたいしたことありません。
しかし、このコンパクトさで上品です。シートに腰を下ろせば全く違う世界観に浸れます。姉妹車のスマートにはない何かがあるのです。
RR(リアエンジン・リア駆動)ゆえにその独特のハンドリング。1990年代の全日本GT選手権でポルシェ使いと呼ばれた筆者にとって「そうだよな! これだよね!」と思わず口ずさんでしまうほど。
それは何かというと、RRの個性を生かすためにしっかりとサスペンションを動かしている点。
リヤサスペンションはド・デオン式で、これは左右が繋がったリジット式なのに独立懸架式と同じようにデフがボディにマウントされたもの。トゥインゴの場合はリアにあるトランスミッション内にある。
メリットはバネ下重量が軽くキャンバー(地面に対するタイヤの傾き)変化が少ない。パワーはないけれども、ちゃんと後輪に駆動力がかかるようにして、安定したコーナリングが普通の速度でも楽しい。ここにもハンドリングへのこだわりが見え隠れします。
◆ルノー トゥインゴ(171万-199万円)の採点
・走り/43点
・買い得感/38点
・合計/81点
■3位 スズキ スイフトスポーツ
3位はスイフトスポーツです。3ナンバーに成長したことは、スズキユーザーからするとNGですが、欧州でみっちり磨きをかけたから許せ! とスズキは言いたいわけで、実際に乗るとその成果は明確。
まず、室内静粛性がベースのスイフトより良い。さらに乗り心地が、締まっているのだけれど突き上げ感が薄く、やはりスイフトより上。
サスペンションの初動の部分とコーナリングストレスに応じたロールの制御は、歴代モデルから踏襲するモンロー製だが、バネの硬さを上げているにもかかわらずスムーズな動きと前述した乗り心地が良いのです。
しかし、なんといっても200万円切りでこのクォリティーはスズキにしかできない。
◆スズキ スイフトスポーツ(183万6000-205万920円)
・走り/38点
・買い得感/42点
・合計/80点
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