【ロードスターで実験!!】燃費に直結!! タイヤ次第で15%も伸びた!? 

【ロードスターで実験!!】燃費に直結!! タイヤ次第で15%も伸びた!? 

近年、車以上に急速な進化を遂げているタイヤ。選び方次第で車の燃費が良くなったり、車の性能を今まで以上に発揮することもできる。その半面、銘柄はいろいろあって、どれが自分の愛車にベストなのか、なかなか判断が難しい。そこで、本記事では3種類のタイヤを用意して燃費の良さの指標ともなる「転がり抵抗」をテスト。タイヤの性格によって転がり抵抗はこんなにも違う!!

文:ベストカー編集部
ベストカー 2018年5月10日号


燃費を左右する「転がり抵抗」とは?

今回、3種類のタイヤを装着したテスト車両はマツダ ロードスター
今回、3種類のタイヤを装着したテスト車両はマツダ ロードスター

タイヤは唯一路面とコンタクトしているパーツ。このタイヤを換えるだけで燃費性能が良くも悪くもなる。

また、使い古して性能が劣化したタイヤも燃費性能を落としてしまうもの。だから、いくら車の整備をしっかり行っていても、タイヤ次第で燃費が落ちてしまうのだ。

この燃費を左右するファクターに、タイヤの「転がり抵抗」というものがある。各タイヤメーカーの試乗会に行くと、テストコースで実車を使いタイヤを履き替え、一定速からどこまで転がるかのテスト風景を見せてくれる。

今回は同じ方式で転がり抵抗を実施した。20km/hでギアをニュートラルにし、惰性だけでどこまで転がるのかを計測。

本記事ではヨコハマタイヤの「アドバンスポーツ V105」を筆頭に「アドバンフレバ V701」、さらにはエコタイヤの代表的存在「ブルーアースA」を用意して、転がり抵抗の違いをテストした。

同じスポーツ系タイヤでも違いあり!

20km/h定速走行の状態から計測開始点でギアをニュートラルに。そして、車が完全停止するまでの距離の長短で転がり抵抗をテストした
20km/h定速走行の状態から計測開始点でギアをニュートラルに。そして、車が完全停止するまでの距離の長短で転がり抵抗をテストした

まずは、スポーツ系タイヤのアドバンスポーツから行う。

測定する速度も20km/hと低いことからすぐに止まってしまうだろうと予想していたのだが、意外や意外100m近くまで惰性で転がった。

あまりによく転がるのでスタッフともども驚いた。最近では、スポーツ系タイヤでも、燃費性能を大きく落とすことなく走れる性能を持っていることを確認できたのだ。

次のアドバンフレバは「楽しいハンドリング」をテーマにしたハイパフォーマンス系のスポーツタイヤで、さらに低燃費をも謳っているタイヤ。エコタイヤでは物足りないという人にうってつけのタイヤといえるだろう。

テストの結果は、やはり転がり抵抗が低いようでアドバンスポーツよりも10mほど長く転がった。特に10km/h以下に速度が落ちてからの転がり抵抗に差があるようで、最後の伸びというのがある。

エコタイヤの恐るべき実力

では最後に、このテストパートでは真打ちともいえるブルーアースAをテストする。

こちらは、いわゆる燃費性能を重視したエコタイヤ。ブルーアースAでは、エコタイヤのウィークポイントともいえるウェット性能を重視している。

そのためか縦グルーブがハッキリクッキリなのが印象的で、それによってスポーティなルックスも持ち合わせているのが頼もしい。

さっそく走らせてみると、やはりその実力は遺憾なく発揮された。初速の20km/hから10km/hレベルまで速度が低下するフィーリングは、アドバンフレバとそれほど大きな差はない。

しかし、10km/h以下、さらには5km/h以下と徐々に速度が低下するに従って、明らかに抵抗感なく転がる印象。最後の最後の一伸びという感じで確かにによく転がる。

エコタイヤは極低速域での転がり抵抗が少なく、そして低いということがこのテストでわかった。

【図】3種類のタイヤによる転がり抵抗テスト結果
【図】3種類のタイヤによる転がり抵抗テスト結果

◆  ◆  ◆

 転がり抵抗が低い「よく転がるタイヤ」は、エネルギーロスが少なく、燃費向上につながる。

転がり抵抗の低さとグリップ力の高さは相反する要素で、やはりグリップ力ではスポーツ系タイヤに軍配が上がるが、近年はこの2つを高次元でバランスさせたタイヤも増えてきている。

また、タイヤの空気圧も燃費に影響を与える大きな要素のひとつ。日々の車の使い方・走り方に合わせたタイヤを選ぶだけで、車の燃費はもちろん、グリップ力や乗り心地などの快適性能も大きく変わる。

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