年末年始に向けて、「お買い得のクルマがあれば買い換えてもいいかな」と考えている人は多いのではないでしょうか。そんな新車購入予備軍に向けて、まずは基礎知識として「今売れているクルマは何か」をお知らせします。
2017年11月の車名別月販台数ランキング、乗用車編と軽自動車編でそれぞれお届けし、「販売店の鬼」である遠藤徹氏に分析していただきました!
ちなみに車名別の年間販売台数ランキングは(11月末の時点で)ホンダN-BOXでほぼ決まりです。1〜11月で20万20台という凄まじい売れっぷり。
文:遠藤徹 写真:平野学、森山良雄、TOYOTA
■15台中11台が席巻! 横綱トヨタ強し
2017年11月の新車販売台数ランキングは、ニューモデルの投入やキャンペーン展開の如何によって明暗が分かれる図式になっている。
登録車の乗用車ブランド通称名別ランキングではトヨタが圧倒的な強みで軒並み上位にランクインし(上位15車種中じつに11車種がトヨタ車)、日産は完成検査の不備による出荷停止の後遺症で大幅マイナス、ホンダはマイナーチェンジしたフィットやハイブリッドを設定したステップワゴンが健闘しているものの、新型投入後2年目に入ったフリードが激減でベスト10圏外に去るなど明暗を分けている。
このほか依然インプレッサ(16位/4294台)が好調なスバル、増産でバックオーダーを消化しつつあるマツダCX-5(23位/3148台)、ターボや新型スポーツで攻勢をかけるスイフト(27位/2571台)、カーナビのサービスや低金利残価設定クレジットのキャンペーンで盛り上げているダイハツ・トール(29位/2389台)などが健闘している。
なかでもダイハツ・トールは注目。トヨタにOEM供給しているヒットモデル「ルーミー/タンク」の姉妹車で、11月の登録台数は2389台と絶対台数は少ないものの前年比357.7%と急増で、クラウン(30位/2378台)を抜いた。2017年12月まで実施している10.8万円のナビサービス、1.9%の低金利残価設定クレジットのキャンペーンが大きく貢献していると見られる。
■王者N-BOXに挑むのは……?
軽自動車ベスト15ではトップのホンダ・N-BOXはじめ、スズキ・ワゴンR、ダイハツ・ミラ、スズキ・スペーシアが大幅な増加で上位にランクされている。
ワゴンRは今年2月、ミライースは5月、N-BOXは9月にそれぞれフルモデルチェンジしたことによる新型車効果によるもの。いっぽうスペーシアだけは例外だ。
スペーシアこの12月14日にフルモデルチェンジを迎える末期モデルだから、普通だと激減状態になるはず。
これが前年同月に比べて16.1%もの大幅な増加となったのは、スズキ各ディーラーで展開している3万円のオプションサービス、1.9%の低金利残価設定クレジット、加えて在庫一掃セールによる大幅な値引き販売での格安さによるものといえる。
同じような現象は今年モデル末期だったN-BOXにも見受けられた。モデル切り替えの最終まで軽自動車トップの座をキープしたのだ。
N-BOXにしろスペーシアにしろ、もともとの商品性が高く、使い勝手のいいスーパースペースワゴンで人気も高い。
この年末にそのスペーシアがフルモデルチェンジして、さらに商品力アップを図ったのであるから、今後、フル販売に入ると上位にランクアップし、トップシェア争いに割って入る可能性も充分にありそう。
この年末年始はスズキに注目したい。
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