燃費も激悪に!! 1カ月で5%も空気圧が低下!? [タイヤの空気]はなぜ抜ける?

燃費も激悪に!! 1カ月で5%も空気圧が低下!? [タイヤの空気]はなぜ抜ける?

 こまめなチェックが必要ということは知りつつも、実際に測ったことがあるという人は案外少ないのがタイヤの空気圧。特に問題がないから……なんて放っておくと、思った以上にデメリットがある可能性も!?

文/井澤利昭、写真/写真AC

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■タイヤの空気は自然に抜ける? 知っておきたい空気圧の適正値

燃費も激悪に!! 1カ月で5%も空気圧が低下!? [タイヤの空気]はなぜ抜ける?
タイヤの空気圧の適正値である「車両指定空気圧」は、運転席側のドア周辺に貼られたシールで確認することができる。近年、空気圧の単位は国際単位である「kPa(キロパスカル)」で統一されたが、従来の「kgf(キログラムフォース)/cm2」が併記されていることも多い

 タイヤの空気圧をチェックする際、前もって知っておかなければいけないのが、その適正値だ。

 それぞれのクルマの空気圧の適正値である「車両指定空気圧」は、運転席側のドアの周辺や給油口の近くに貼られたシールに記載されているが、仮に同じクルマであっても年式や型式、タイヤのサイズ、場合によっては前輪と後輪でも違ってくるので注意が必要。

 いっぽうでタイヤサイズが同じであれば、タイヤ自体の銘柄が変わっても「車両指定空気圧」は基本的には同じとなる。

 空気圧のチェックは一般的には1カ月に1回程度が目安と言われているが、運転する頻度や高速道路の利用が多いという場合にはタイヤへの負担も大きくなるため、2~3週間に1回程度はチェックが必要。

 日頃からタイヤの空気圧を気にしていないドライバーからすれば、意外なほど短いスパンでのチェックが必要なことに驚くかもしれないが、これはタイヤの空気が思っている以上に自然と漏れてしまうためだ。

 一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が調査したところによると、乗用車用のタイヤでは1カ月で5%程度も空気圧が自然に低下し、高速道路で点検を実施した4台に1台のクルマが空気圧不足の状態だったという。

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■タイヤの空気圧が低いことによるデメリットは?

 では、空気圧が低すぎるタイヤには、どのような不具合が起こる可能性があるのだろうか。

 しっかりと空気が入っている状態のタイヤがほぼ真円に近い形になっているのに比べ、空気圧の低いタイヤは変形してたわんでしまうため、転がりが悪くなる。

 こうした状態でまず考えられるのが、タイヤの偏摩耗だ。

 偏摩耗とは文字どおり、本来はほぼ均等に減るはずのタイヤのトレッド(路面と接地している面)が、ある部分だけ偏って異常に減ってしまう現象のこと。

 偏摩耗は走行時の振動や騒音の原因になるだけでなく、寿命の低下や、グリップや排水性といった、本来そのタイヤが持つはずの性能を十分に発揮することができなくなる。

 一般的には空気圧が低すぎるとタイヤの左右どちらかが極端に減る「片減り」や、ショルダー部分が減る「肩落ち摩耗」が起こりやすくなるとされ、反対に空気圧が高すぎるとタイヤの中央部分が減りやすくなると言われている。

 また、タイヤが変形することで回転時の抵抗が増え、ドライバーの操作に対してクルマがきちんと反応してくれないという、操縦性の悪化につながることも。

 加えてこの回転時の抵抗は、走行時に無駄なパワーを必要とするため燃費の低下につながり、お財布にも優しくない。

 一般社団法人省エネルギーセンターのデータをもとにしたJATMAの試算によると、適正な空気圧から50kPa不足した状態で走ると、市街地で2.5%、郊外で4.3%、高速道路ではなんと4.8%も燃費が悪化するという結果が出ており、これは1リッター当たり4~7円も高いガソリンを使用しているのと同じ計算になるという。

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