一度は乗ってみたいクルマ、トヨタ「センチュリー」は、日本を代表するVIPのためのショーファーカーとして相応しい上質な乗り心地を高いレベルで実現している。最近ではSUVモデルも登場し、センチュリーの勢いはまさに衰え知らずだ。そんなセンチュリーのセダンとSUVの違いを細かく見比べていきたいと思う。
※本稿は2024年10月のものです
文:片岡英明/写真:奥隅圭之、トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年11月10日号
■伝統のセダンか現代風のSUVか
豊田佐吉翁の生誕100周年を記念して送り出されたのがショーファーカーのセンチュリー。登場から50年を超えるが、現行モデルで3代目と、これまでの2代は長寿を誇っている。2018年に伝統のルックスで登場したが、2023年秋にSUVルックのセンチュリーがベールを脱いだ。
両車は似て非なるセンチュリーである。正統派VIPカーのセダンは、上質なパワーフィールの5L、V型8気筒エンジンにモーターを組み合わせた。これに対しSUVは、3.5LのV型6気筒エンジンに2モーター式のPHEVだ。駆動方式も4輪を駆動するAWDと異なっている。
また、パッケージングも大きく違う。セダンより全高を300mm高くして快適な居住空間を手に入れたのだ。乗り降りしやすいのも美点に挙げられる。セダンはその重厚なたたずまいと買い得感の高さが際立つ。が、主役となる後席の快適性を優先して選ぶならSUVになるだろう。
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