今年も無事に閉幕した東京オートサロン。数多くの展示車両が並ぶ中で、見逃せないクルマがあった。群馬トヨタグループ(GTG)ブースのランドクルーザー70だ。よく見るとこの70、ベーシックな装備でナローボディなのである。初代70のLXグレードを想起させる展示車両には、70ナロー復活への道筋が隠されていた。70のナローボディとMTの国内仕様追加は、果たしてあるのだろうか。
文:ジョー城ヶ崎/写真:大西 靖
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昨年のハイラックスチャンプといい、今年の70ナローといい、群馬トヨタブースにはひと癖あるクルマが毎年のように展示されてきた。これは地方のトヨタ販社が独自で考える恒例イベントとは考えにくい。どう考えても、もっと大きな力がハイラックスチャンプやランクル70ナローの後ろには見えてくる。
今回の展示に関しては、「オーストラリア仕様を持ってきました」という群馬トヨタだが、単純な話題作りにわざわざ海外仕様を持ってこようとは思うまい。オートサロン会場を使った、市場調査と考えるのが自然な流れであろう。
何のための市場調査かと考えれば、国内導入のためというのが答えになる。つまり、一般ユーザーの反応次第では、ランクル70ナローの国内市場復活がありうるということだ。
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では、なぜ70ナローを国内に入れる必要があるのかについて考えていこう。ナローボディの70を入れるということは、現在乗用車としてカタログモデルになった再々販ランクル70に、廉価なベースグレードを追加することになる。
そのクルマは、オートサロンに展示された通りの、オーバーフェンダー無し・鉄チンホイール・メッキ無し・素地剝き出しの外装に、ウレタンステアリングとビニールシートの内装になるということだ。快適系装備を省き、ヘッドライトもハロゲンにしたら、車両本体価格300万円台も夢ではないかもしれない。
ある関係者によると、この廉価版70を欲している大きな機関があるというのだ。現在使用しているプリミティブな車両にも結構なガタが来ていて、その代わりを今務められるのはランクル70しかないとのこと。その機関への納入ありきで、70ナローボディの国内導入はほとんど決定的のようだが、カタログモデルとして市販するのかは、まだ微妙な状況らしい。
また、再販モデルにあったようなMTの復活はあるのかと情報筋に聞いてみたところ、かなり可能性は低いとの話。ナローの需要は一定数確保できているが、その需要先で必要なのは基本的にATのため、ナローとMTの同時導入は可能性が極めて薄いらしい。遅れての導入も、MTに関しては期待薄と考えていた方が良さそうだ。
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ランクル70は、メーカーが作れば作るだけ儲けの出るクルマなのだが、肝心の生産が追いついていない現状はいかんともしがたい。
正直、ナローが復活するのは嬉しいが、導入が決まっても「買えません・(作れないから)売れません」では話にならないのだ。ナロー復活への期待も含めて、日本国内にある需要の大きさと反響の大きさの両方を、メーカー(トヨタ自動車)に伝え、芯を食った受け止められ方をすれば、国内で手に入らないという状況も改善されるはず。
トヨタの販売現場からも、「ナローを期待しているお客様は多い」と熱烈歓迎の声が高まりつつある。オートサロン会場での反応しかり、その後のSNSなどのネット上やトヨタ販売店での盛り上がりがあれば、廉価版ナローの販売は夢物語ではないだろう。
導入判断は結構早く行われそうな予感。来年にはランクル70ナローボディを注文できるようになるかもしれない。
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