わずか2代限りで姿を消してしまったが、日産ステージアは初代と2代目で大きくキャラが異なっていた。初代と比較するとやや影が薄めな2代目だけど、SUVテイストのAR-X FOURを追加したり、かなり奮闘していたんじゃない!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■今でも語られる伝説の激辛仕様
1990年代に巻き起こった俊足ステーションワゴンブーム。これはレガシィツーリングワゴンが先鞭をつけたものであるが、そのひとつの完成形といっても過言ではないのが、1996年に初代モデルが登場した日産ステージアではないだろうか。
レガシィツーリングワゴンの直接的なライバルとしてはアベニールが存在していたが、ステージアはそれよりも上級な最上級のワゴンクオリティと高性能な走りを実現した「プレステージ・ツーリングワゴン」として登場した。
この初代ステージアはハイパワーターボのRB25DET型エンジンを搭載したグレードが用意されたほか、オーテックジャパンからはR33スカイラインGT-Rのパワートレインをゴッソリ移植した「260RS」がリリースされたことでも知られる1台だ。
【画像ギャラリー】ナビの設置場所斬新だね!! 2代目[ステージア]のインパクトもなかなか!!(9枚)画像ギャラリー■初代に比べると2代目の影は薄め!?
俊足で鳴らしたステージアも2001年10月に2代目へとフルモデルチェンジ。今回はV35型となったスカイラインとプラットフォームを共有したが、スカイラインがすっかりマイルドになってしまったことでステージアもスポーティなイメージが失われてしまった(一応スカイラインにはない2.5Lターボが設定されていたが)。
その代わり、新提案のモデルとして追加されたのが「AR-X FOUR」というグレードで、専用フロントバンパー、オーバーフェンダー、シルプロテクターと大径18インチタイヤを組み合わせ、高い走破性とタフさを表現。
車高は通常の4WDモデルよりも40mm高い180mmの最低地上高を持ち、オールシーズンタイヤ、スノーシンクロモード付アテーサE−TS、ビスカスLSDを標準装備することで高い走破性を持ちながらも、280PSを叩き出すVQ25DET型エンジンを搭載して速さも併せ持っていたのである。
まあ言ってしまえばレガシィアウトバック(当時はランカスター)の対抗馬的なポジションを担っていたとも言えるのだが、よりクロスオーバーSUV寄りのスタイルや、レガシィアウトバックに先駆けてハイパワーなターボエンジンを搭載するなど、時代を先取りしていたことは間違いないだろう。
2004年8月のマイナーチェンジでは2.5Lターボエンジンや3.0Lエンジンが廃止されたことで、AR-XはVQ35DE型エンジンに置き換えられ、よりラグジュアリーな方向に舵を切って行った.
だが、すでにラージサイズの大排気量ステーションワゴンの人気は下火となりつつあった時期でもあり、2007年夏で終売となった。
初代と異なり時代の波にうまく乗ることができなかった感のある2代目ステージアだが、現代はボルボのクロスカントリー系グレードが人気を博していることを考えるとAR-Xは時代を先取りしすぎた1台だったといえるかもしれない。
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