日産GT-Rといえば、多くのクルマファンをわくわくさせる大人のプレミアム・スーパースポーツだ。
日産のなかでも“特別”なクルマとあって、どこのディーラーでも取り扱っているわけではない。「日産ハイパフォーマンスセンター」と呼ばれる専門スタッフが常駐するディーラーでのみ販売やメンテナンスを受け持っており、これは全国でわずか103店舗という。
今回は日本一GT-Rを販売するGT-Rマイスターが所属する「日産プリンス東京販売 亀戸店」を取材させてもらった。
文:WEBベストカー編集部/写真:WEBベストカー編集部
GT-R2017年モデルは販売も好調
今年7月に発売された2017年モデルで大きく生まれ変わったGT-R。エンジンが570ps/65.0kgmとパワーアップされただけでなく、静粛性も向上。
さらには内外装も大きく変わったことで、より大人のプレミアム・スーパースポーツらしくなった。今回取材した亀戸店の販売現場でも「お客様からの反応も上々」と好感触を得ているという。
亀戸店には現在GT-Rマイスターと呼ばれる販売スタッフが2名常駐する。全国でもわずか166名しかいない、GT-R専門の研修を受けた販売スタッフで、希望するディーラーマンの誰もがなれるというわけではない。
さらに「日産ハイパフォーマンスセンター(NHPC)」として機能する亀戸店には、販売スタッフ以外に、テクニカル面でもGT-R専門のスタッフが常駐する。
GT-Rに関する技術や特別メンテナンスに関する教育を受けた“認定テクニカルスタッフ”で、GT-Rのメンテナンスは彼らの存在なしには成立しない。
日産がいかにGT-Rというクルマとユーザーを大事にしているかがうかがえる体制といえるだろう。
ちなみにNHPCであるためには、以下に挙げる3点が求められる。「スーパースポーツにふさわしい店舗設備であること」「強い情熱と高度な専門性を持つGT-Rマイスターがいること」「GT-Rのパフォーマンスを最大限に発揮する認定テクニカルスタッフがいること」。
こうした要件を満たす店舗は、約2200ある全国の日産ディーラーのなかでも、わずか103店しかないのだ。
GT-Rを販売するためには「想い」も大事
現在、GT-Rの販売を担当できるのは、「GT-Rマイスター」の資格を持つ専門スタッフだけだ。GT-Rを求めるユーザーといえば、やはり知識や経験も豊富なクルマ好きが多い。
そした熱いユーザーを「がっかりさせない」ためにも、GT-Rの販売は専任のスタッフがあたるという体制になっている。
この「GT-Rマイスター」となるためには、1週間程度の泊まり込みとなる専門の研修を受ける必要がある。ここでは商品知識の習得はもちろんのこと、開発責任者や技術開発チームから「開発の秘話」や「想い」なども受け取る。
加えて、実車を使っての体感試乗、革素材の現物に触れる体験会など、五感を使っての研修もあるという。
今回の取材では、日本一GT-Rを販売するというベテランの平山知之氏、そして若手のGT-Rマイスターの坂本孝博氏とにお話をうかがう機会を得た。
まずは平山さん。2014、2015年と2年連続でGT-Rの販売台数が全国1位という凄腕のディーラーマンだ。その秘訣を訊ねてみた。
「一番は、ここ亀戸店が他の店舗にないハード面があることではないでしょうか。GT-R専用の商談スペースがあるのは、おそらく全国のNHPCでもここだけです。あとは、試乗車を積極的に活用しています。
基本的に試乗をお断りすることはありません。特に17年モデルに関していえば、まず体感いただくことが一番の販促ツールではないかと思います」という。
また販売するコツがあるとすれば「カタログには出ていないような、開発責任者からうかがった開発の裏話や想いをお伝えするようにしています」とのことだった。
若手のマイスター坂本さんは、念願かなって昨年11月にマイスターになったばかりという。
整備士出身ということで、もともと専門的な知識を備えていたことから、GT-Rマイスターへの道が開けたという。マイスターとなって変わったと思う点をうかがってみた。
「GT-Rの場合、複数台のクルマを持ってらしゃる方が多いです。日産車だけでなく、当然外車を愛用される方も多いので、身だしなみや接客には、以前よりもさらに気を使うようになりました」とのこと。
また、仕事で心がけている点としては、約束ごとを確実に守ることだという。「GT-Rをお乗りいただいているお客様は、大変ご多忙の方が多いので、時間の約束、お日にちの約束などは、かなり気にかけています」という。
こうした坂本さんの誠実な人柄があってのことだろう、以前に他店舗で販売したGT-Rのお客さんが、坂本さんを頼ってここ亀戸店へと来られているという。
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