えぇぇぇ!?　[東京湾アクアライン]が実質[値上げ]ってマジ

　川崎と木更津を繋ぐ東京湾アクアライン。渋滞緩和のため、時間帯によって料金が変動する「ロードプライシング」が2025年4月から本格導入される。しかし実はコレ、実質値上げではないかと囁かれている。国沢光宏氏が解説する。

※本稿は2024年12月のものです
文：国沢光宏／写真：AdobeStock（トップ画像＝show-m＠AdobeStock）
初出：『ベストカー』2025年1月26日号

「ロードプライシング」は実質値上げ!?

　通行量の多い時間帯の料金を値上げし、少ない時間帯は安くして交通量の平滑化を図るシステムを「ロードプライシング」と呼ぶ。

　川崎と木更津を繋ぐ東京湾アクアラインは、休日の交通量変化が大きいことで知られる。午前中は東京から千葉へ行くクルマで渋滞。午後は東京に戻るクルマが多くなり大渋滞するのだった。そんなことから2023年の6月にアクアラインにロードプライシングを試験導入すると発表した。

　渋滞の激しい土日祝日の千葉から川崎の通常料金800円を、混雑する13～20時は1200円に値上げ。20時から0時までは600円に設定。「試験導入」はアリバイ作りのようなもの。導入することが決まっているということです。半年後の結果はどうだったか？

　（1）土曜日は13～20時の交通量が3％減少
　（2）日曜日は交通量が全体的に増えているが、前後の時間帯に分散している傾向

　とのこと。

　“アリバイ”を受け、2025年4月から日本初となる本格的なロードプライシングが始まる。具体的に書くと、土日休日は千葉から川崎方向で13～19時を基本料金の2倍になる1600円とし、20時～翌朝4時まで400円にするという。

　これ、実質的な大幅値上げです。調査だと値上げして減った交通量は土曜日で3％。日曜日なんか増えている。つまり休日のドライブは値上げしても“まっとうな時間”に帰りたいということだ。

　13時前に帰ったら現地で遊ぶ時間が超短くなる。かといって20時まで遊べる場所って相当限られてしまう。加えて新型コロナの影響もまったくなくなり、房総半島に遊びに行く人が増えているということですから。

　ロードプライシングを知っていても、土日しか休みのない人って交通量の多い時間帯に走るしかないのだった。2倍の料金にしたって10％減るなんてことはない。普通の人にとって大幅値上げということになるだろう！

　20時から400円に下がるといっても、子どもなどいたら“まともな時間”に帰りたいから無理。加えて土日休日だって23時を過ぎたら交通量が激減する。

　トータルで考えたら1600円払う台数は400円の台数より圧倒的に多いだろう。アクラインで考えればロードプライシングという名を借りた大幅増収策になる。0時を過ぎたら無料にして増収にならないように配慮するくらいの“良心”を持っていただきたい。

　ホンキでロードプライシングをやるのなら地域で考えるべきだ。現在20時で閉店となる木更津のアウトレットやコストコを土日休日に限り22時にしてもらうとか、観光地の営業時間を延ばしてもらうなども必要。

記事リンク

前の記事

「新型スイフト」の無双を許してはならん!!　ガチ勝負ができるハイスペックモデル5選

次の記事

一生モノのクルマがほしいおじさん必見!!　買うなら[ファクトリーチューン]だろ！