東京オートサロン2025で公開されたGRヤリスMコンセプト。ベストカーでは2023年の段階でこの車両の情報を入手し、誌面にて公開していたのだが、そこから情報は二転三転……そして2025年、ベストカーが導き出した結論はコレだ!!
※本稿は2025年1月のものです
文、予想CG:ベストカー編集部/写真:トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年2月26日号
東京オートサロン2025で公開された「Mコンセプト」の衝撃
東京オートサロン2025で、GRヤリスのミドシップモデルである「Mコンセプト」が登場した。現場で見て驚いた。「先祖返り」していたからだ。
どういうことか?
編集部ではGRヤリスをミドシップ化するという情報を2023年9月に入手しており、同年11月10日号で第一報をお届けした。
ベースはGRMNヤリスで、かつてのWRCグループBカーのようなハッチバックスタイルの4WDスポーツに仕立てる。最初はそういう話だったのだが、その後、かつてのMR2のようなクーペデザインで開発するという情報に変化した。
理由は「グループBカー的なデザインではGRヤリスと変わらないし、マニアにしか受けそうにない」から。トヨタの誰かが本当にそう言ったのかどうかは定かではないが、ニュアンス的にはそんな理由でデザイン案が変わったわけである。
それってMR2の復活やん! ということで、ベストカースクープには何度も「MR2復活」の言葉が踊るようになったのだが、2024年末に、このミドシップスポーツは、実はMR2ではなくセリカで計画されているという、また別の情報も入ってきた。
MR2かセリカか、というのはクルマ好きとしては楽しい論争だが、それよりもトヨタがクーペスタイルのミドシップスポーツを計画しているという事実が重要。2026年のラインオフを目指し、開発が進んでいるという情報だったのだ。
ところが、である。東京オートサロンに出てきた「Mコンセプト」は、どう見ても最初の情報で伝えられたグループB風ではないか。だから「先祖返り」というわけなのだ。
エンジンはGRヤリスの3気筒、1.6Lターボをそのまま使うという情報だったが、「Mコンセプト」は次世代エンジンとして新たに開発した4気筒、2Lターボ(G20E型)と発表。なんとモリゾウさん(豊田章男会長)の「1.6Lじゃ物足りない」という意見で急遽変更になったということだ。
エンジンのスペックは未発表だが、400ps/500Nm(51.0kgm)と300ps/400Nm(40.8kgm)の2つの仕様を用意すると公表しており、当然400psのハイパワーバージョンが搭載されることになる。
【画像ギャラリー】ますます楽しみになってきた!! 開発中のトヨタ セリカ予想CGとスーパー耐久参戦を予定するGRヤリスMコンセプト(24枚)画像ギャラリー純粋なテスト車両としてレースに参戦
このGRヤリスMコンセプトは2025年の夏以降からスーパー耐久レースに参戦する計画だが、市販化はどうなるのかというと話が変わってくる。さらに調査を進めると、実は「先祖返り」はしておらず、セリカ復活計画はそのまま継続しているようなのだ。
つまり、今回公開されたGRヤリスMコンセプトは純粋なテスト車両ということ。「走る実験室」であるスーパー耐久で走りを鍛え、その知見を市販車にフィードバックするために作られたクルマなのである。
トヨタには最新の下山テストコースもあるし、車種によってはドイツのニュルブルクリンクで開発テストをすることもあるが、耐久レース以上に走りを鍛えられる場所はないだろう。参戦する以上は当然勝利を目指すはずだし、それが強くて壊れにくく、コントロールもしやすいクルマ作りに繋がっていく。
トヨタは2007年に生産を終了したMR-S以来、ミドシップ車を作ったことがなく、おそらくその技術も継承できていないだろう。いわばゼロスタートだが、開発陣は「アルピーヌA110を超えるクルマにしたい」という目標を掲げているという。2026年末頃のデビューを楽しみに待ちたい。
●トヨタ セリカGT-FOUR 予想スペック
・全長×全幅×全高:4400×1850×1230mm
・ホイールベース:2600mm
・車両重量:1300kg
・エンジン:直4、2Lターボ
・最高出力/最大トルク:400ps/51.0kgm
・トランスミッション:6MT
・駆動方式:4WD
・登場時期:2026年末
・予想価格:1000万円
コメント
コメントの使い方MRというだけで私達は燃え滾りますが、数々のプロが実際にA110を比較試乗した動画では
250psモデルでは価格1/3未満のBRZ86と楽しさとタイムで並び、300psモデルでは百万安い718ケイマンに全面的に負けていました。
ですからA110はその軽さと感覚に、タイムで測れない価値を見出さなければ買えない車。このセリカにそこまでの軽さは不可能です
つまり性能では、圧倒的に超えた、を実現しないと。