EVの価格破壊を起こした中国BYD。登場以来、ユーザーが目を疑うような価格でEV市場を席巻しつつある。そんなBYDが、今度は自動運転の分野で価格破壊を起こそうとしているようだ。150万円の激安EVまで「無料」で自動運転が可能になる!?
※本稿は2025年3月のものです
文:角田伸幸/写真:BYD、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年4月10日号
ほぼ全車にレベル2+相当のオートパイロット機能を搭載
中国BYDはEVに価格破壊を引き起こしたが、今度は自動運転でも同様のことを起こすかもしれない。
2025年2月10日、BYDは自社のADAS(先進運転支援機能)を刷新すると発表した。ファーウェイのシステムを搭載する高級車を除くほぼ全車に、レベル2+相当のオートパイロット機能を搭載するというのだ。
それだけなら特段驚かないが注目は値段。搭載に伴う値上げは一切なし。たった150万円の激安EVシーガルにも、無料で自動運転機能を付けちゃうというんだから驚愕だ。
そのレベル2+自動運転だが、通称「ゴッドアイ(天神之眼)」。従来は「DiPilot」と呼ばれた技術で「600」「300」「100」の3種類があり、それぞれ実現できる機能が異なる。
たとえば600は3基、300は1基のLiDARを持ち、高速道路と一般道で自動運転(追い越しや障害物回避も行う)を実現。100はLiDARを搭載しないため一般道の自動運転はできないが、通勤路などを学習するルート記憶機能を備えるという。
BYDはこれらの機能を「BYD」「デンツァ」「ヤンワン」というブランド階層に合わせて展開する目論見のようだ。
中国では現在「NOA(ナビゲーション・オン・オートパイロット)」という、カーナビとリンクした半自動運転が急速に普及している。今回のBYDの動きは、この領域でも主導権を握ろうという同社の強い意志を感じる。
法制度などもあるから、NOAがすぐさま日本には導入されることはないだろうが、中国で戦う日本メーカーにとっては、またひとつ悩ましい課題が生じたともいえそうだ。



















コメント
コメントの使い方何がヤバいって日本の工業製品の役割が終了した事。日産やマツダのブースはガラガラ。ポルシェやレクサスなど嗜好性が高い外資車はまだいけるが、そういう車を軽視してきた普通のブランドは役割を中国民間資本企業に完全に奪われた。インドや東南アジアや南米でも同じ事が起きるだろう。
150万の激安EVか・・それで補助金付くから車は110万位で買えそう。
恐るべし中国EV・・ホントに出るならね。
天神之眼というネーミングが良い