これからの季節は、落雷の発生件数が多くなる時期。気象庁によると、落雷は4月から9月に発生件数が多くなっており、毎年、ゴールデンウイークを過ぎたあたりから、気温が上昇することと北からの寒気が影響して雷雲が発生しやすくなるそうです。
直撃をうけてしまうと命の危険もある落雷。はたして運転中に雷鳴や雷光を確認したらどうするべきか!?? 運転中に雷雲が近づいてきたときの適切な行動や、注意するべき点についてご紹介します。
文:yuko/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Preecha/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】運転しているとき、急に雷雲が近づいてきたらどうするべき?(10枚)画像ギャラリークルマのなかは、比較的安全
停電や家電製品の故障、また火事の原因となることもある、落雷。2025年4月にも、奈良県の学校のグラウンドに雷が落ち、生徒6人が病院に搬送されるという事故がありましたよね。
外出中に雷に遭遇したら、鉄筋コンクリート造などの頑丈な建物の中に避難する、とされていますが、実はクルマの中も比較的安全な場所。クルマに落雷しても、ボディ部分を伝って地面へと放電するからです。過去にJAFが実施したユーザーテストでも、車内のマネキン(全身にアルミホイルを巻き付けた状態)には、影響がなかったという結果が出ています。
しかしながら、車内であってもピラーやドアノブなどの金属部分に接触していると、感電してしまう恐れがあります。また、車内に入り込んでしまう可能性がありますので、窓もしっかりと閉めておきましょう。換気のためなどで少しでも開いていると、その隙間に電気が走る可能性があるので、全ての窓をきっちりと閉めるようにしてください。また、ソフトトップのオープンカーの場合は乗員に落雷してしまう危険があるので、ただちに避難をしてください。バイクや自転車の場合も同様です。

ただ、場合によっては、雷雲の通過を待つという判断も大切
このように、クルマに落雷したとしても、乗員は比較的安全が確保できるのですが、クルマにはダメージが及んでしまう可能性が。クルマに落雷してしまった場合、走行が継続できなくなる可能性があるのです。
前出のJAFの実験でも、被験車両として使われたハイブリッド車とバッテリーEV(エンジン(EVシステム)がONの状態)は、エンジン(EVシステム)がシャットダウンしてしまい、再始動することができなくなったほか、タイヤにも焦げ痕がみられたとのこと。再始動ができなくなったのは、落雷によってECUが故障した、もしくは異常な電流を検知してセーフティシステムが作動したことが原因だと思われるとのことで、タイヤの痕跡は、まさに雷による電気がタイヤから地面へと放電した痕跡とのこと。
昨今のクルマは電子制御が多く搭載されているため、落雷によるダメージがどこに現れるのか予想がつかず、落雷を走行中に受けてしまうと、突然何かが作動しなくなる恐れがあり、大変危険。タイヤに関しても、このJAFの実験では痕跡だけで済みましたが、場合によってはパンクやバーストしてしまう可能性もあります。痕跡だけで済んだ場合も、高電圧が通過したタイヤで走行を継続することは、パンクやバーストに繋がってしまう可能性があるため、すぐに交換することが必要になります。
そのため、雷雲が近い状況では、クルマを安全な場所に止め、状況が好転するのを待つ、という判断も必要です。












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