悲報、自動車保険のロードアシストは故障対応できないかもしれない件

悲報、自動車保険のロードアシストは故障対応できないかもしれない件

 自動車保険に付帯しているロードアシストサービス。いざというとき頼れる心強い存在だが、「どんな故障でも対応してくれる」と思い込んでいる人はいないだろうか。自動車保険付帯のロードアシストは、どんな状況にでも対応できるわけではない。この機会に、対応できる範囲と出来ない範囲を確認していこう。

文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=Vitalii)

【画像ギャラリー】要確認! どこまで対応してくれる? ロードアシストの適用範囲(3枚)画像ギャラリー

ロードサービスと故障補償特約

適用範囲は広がっているものの対応できない内容もあることを忘れずに(Take Production@Adobe Stock)
適用範囲は広がっているものの対応できない内容もあることを忘れずに(Take Production@Adobe Stock)

 自動車保険付帯のロードアシストはあくまで現場での応急対応が中心。このため、「保険のサービスだから何でも対応してもらえる」と思い込んでしまうと、いざというときに戸惑うことになる。

 数年前までは単独のパンクによる走行不能だと、保険のロードアシストの救援は受けられず、レッカーの手配などもできないが、近年ではパンクによる走行不能でも保険のロードアシストは対応可能となり、対応範囲も広がっている。

 しかし、あくまで応急処置レベルの支援にとどまる点を理解しておく必要があるだろう。

 実際の修理や費用負担に関しては、契約している保険内容や特約の有無によって大きく異なってくるため、ロードアシストの適用範囲をしっかりと把握しておくことが重要だ。

要注意!! このトラブルではロードアシストが使えない!

インロックなら助けてくれることもあるが紛失の場合は無料サービスの対象外であることも(yamasan@Adobe Stock)
インロックなら助けてくれることもあるが紛失の場合は無料サービスの対象外であることも(yamasan@Adobe Stock)

 自動車保険に付帯するロードアシストサービスは、バッテリー上がりやガス欠、キーの閉じ込みなど、ドライバーの「困った」を助けてくれる心強い存在。しかし、すべてのトラブルに対応できるわけではなく、状況によっては対象外となることも。

 保険のロードアシストによる無料サービスが受けられないのは、具体的に次のようなケースだ。

・キーの紛失による走行不能

・雪道や凍結した路面、ぬかるみなどでの走行不能

・違法改造されたことによるクルマの故障

 キーの紛失によるレッカー移動や開錠については、各社で対応が異なるが、一般的な昔のクルマに対する開錠作業は無料で行う保険会社が多い。

 しかし、イモビライザー付きのクルマやスマートキーのクルマに関しては、無料サービス対象外や対応できないとする保険会社も多く、近年登場したクルマの場合、ほとんど機能しないと考えていい。

 意外なNGとして挙げられるのが、雪道や凍結した路面・ぬかるみでの走行不能時の保険のロードアシスト対応不可だ。

 保険会社のQ&Aには「単にスリップまたは空転し走行できない場合(スタック)は、ロードアシストの対象となりません」と記載されていることが多くある。

 これは、ロードアシストサービスが受けられない条件の「気象状況・周辺状況・自然災害により危険が予知される場合や作業が困難な場合」という条項に当てはまるためと考えられる。

無料ロードアシストだけでなくJAFなどを組み合わせるとイイ

クレーンが必要となるような作業だと自己負担となってしまう(Cavad@Adobe Stock)
クレーンが必要となるような作業だと自己負担となってしまう(Cavad@Adobe Stock)

 当然のことながら車検切れのクルマ、違法改造車、通行禁止道路や閉鎖道路での走行不能、レースやラリーでのトラブルなどでは、自動車保険のロードアシストは使えない。さらに覚えておきたいのが、無料で行ってもらえるトラブル対応は、1回の作業時間が概ね30分程度のものだということ。

 作業が30分を超えるような、大きな事故(用水路・田畑への転落、川・海への転落等)では、クレーンによる引き上げが必要となるため、作業には8万円~15万円程度の自己負担が必要となる。

 無料のロードアシストが付いているから大丈夫と高を括っていると、対応不能や自己負担金の請求などで、大きな痛手を被ることも。

 対象となる条件や限界を理解し、必要に応じてJAFや民間サービスなどを併用することで、より安心できるカーライフを送ることができるだろう。

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