ロードサービスと言えば、自動車保険に付帯しているものやJAF(日本自動車連盟)が代表例。どちらも車で困った時に助けてくれる強い味方だが、レッカーサービスに大きな違いが。この違いを知っておかないと、いざというときに困った事態が起きることも……。
文/佐々木 亘、写真/JAF、Adobe Stock
【画像ギャラリー】どっちも加入がベスト!! JAFと自動車保険付帯のロードサービスをチェック(7枚)画像ギャラリー■JAFは人が加入の対象でロードサービスは自動車が加入の対象
JAFと自動車保険付帯のロードサービス。それぞれのサービスを同一と認識している方も少なくありませんが、明確な違いがあるのです。
JAFは自動車を所有している「人(会社)」をサービス提供の対象としています。つまり人に対して付帯されているものです。一方、自動車保険のロードサービスは、自動車保険に加入している「モノ(自動車)」に対して付帯されています。
人とモノ、どちらに付帯されているかで、サービスの提供方法にも違いが生まれてくるのです。
■事故や故障での移動でレッカー車に乗れるのはJAFのみ
交通事故や故障で車が動かなくなった時、車と同時に人もレッカー車へ乗せてくれるのはJAFの強みです。
JAFのHPには、「故障車を牽引する場合、私たちも乗せてくれるのでしょうか?」という質問に対して「JAFのサービスカーには2名(サービスカーのタイプにより1名の場合があります)まで同乗することができます。
同乗できない場合は、公共交通機関やタクシー等の利用をご案内しています。」という記載があります。
では、自動車保険付帯のロードサービスでも、レッカー同乗ができるように思いますが、こちらは同乗ができません。(※高速道路上や公共交通機関の無い僻地でのトラブルでは、最寄りの高速出口や駅・バス停までに限り、レッカーへの乗車が許されます。)
この差が生じる理由は、道路運送法という法律にあるのです。
■自動車保険のロードサービスで人を運ぶと法律違反となる可能性がある
乗り物で人を運び、対価を得るには、道路運送法で定められた「旅客自動車運送事業者」でなければなりません。
保険会社は営利企業で、契約者から保険料を払ってもらい収益を得ています。
つまり保険料のなかにロードサービスに関する費用が含まれているため、レッカーへの同乗サービスで対価を得ていることになるのです。この状態で許可なく人を乗せてしまうと、道路運送法違反になります。
一方JAFは一般社団法人です。非営利団体のため、道路運送法の旅客自動車の対象外となります。
ただし、同乗できるのは自動車の搬入先までなので、車を修理工場に預けてから自宅へ送ってもらうという使い方はできません。
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