【ランクルも歩む道か】ハイラックス2.8Lディーゼルを電動化!! 48V「新型ハイブリッド」で悪路に挑む豪州トヨタの本気

【ランクルも歩む道か】ハイラックス2.8Lディーゼルを電動化!! 48V「新型ハイブリッド」で悪路に挑む豪州トヨタの本気

 トヨタハイラックスといえばとにかく「壊れない」でもお馴染みだが、実はオーストラリアトヨタがコツコツと電動化に挑んでいる。48Vハイブリッドを搭載したハイラックスのテストを2024年から開始しているのだ。そろそろデータが貯まってきたはずで、これはもしかして横展開とかしちゃうのか?

文:ベストカーWeb編集部/画像:TOYOTA

【画像ギャラリー】これがラダーフレームの歩む道!! 電動化でも「タフさ」を諦めないハイラックスを見てよ(24枚)画像ギャラリー

超タフな1GDエンジンに電動アシストをプラス

ハイラックスに搭載される1GDエンジン。48Vシステムが追加されるが外観はわからない
ハイラックスに搭載される1GDエンジン。48Vシステムが追加されるが外観はわからない

 オーストラリアといえばランクル70のある意味「本国」であり、ハイラックスなどフレーム車種が実用上求められる過酷な場所だ。広大な国土を縦横無尽に走る必要があり、さらには鉱山などで機械としての限界値を求められる場所でもある。

 そんなオーストラリアにトヨタは電動化したラダーフレーム車を試験的に投入している。それが48Vのマイルドハイブリッド「V-アクティブテクノロジー」。

 ベースは2.8Lターボディーゼル(150kW/500Nm)。明言はされないがスペック的には1GDだろう。ここに48Vのモーターとリチウムイオンバッテリー、アイドリングストップを組み合わせた新システムをプラス。対象は4WD・オートマチックのダブルキャブとなっている。

電動化されようとも質実剛健な走りが変わってはいけない
電動化されようとも質実剛健な走りが変わってはいけない

 当然ながら一番のポイントは燃費の進化。最大で9.5%も改善され、加速もなめらかだという。特に発進時のレスポンスがよくなり、アイドリングは720rpmから600rpmへダウン。

 このシステム、コンパクトなモーター・ジェネレーターをエンジンのベルトで回して、後部座席下にある48Vバッテリーを充電。バッテリーはわずか7.6kgながら、最大8.4kW/65Nmの力を発揮する。さらに、DC/DCコンバーターで12V系統もまかなう万能っぷりだ。

オフロードへの恩恵と「壊れない」への挑戦

牽引重量など実用性に響く数値が悪化しては電動化は受け入れられない。その点はトヨタが一番よく知っているだろう
牽引重量など実用性に響く数値が悪化しては電動化は受け入れられない。その点はトヨタが一番よく知っているだろう

 新設計のテンショナーや強化ベルトで耐久性もキープ。減速時には回生エネルギーを回収して再利用。回生ブレーキと油圧ブレーキのコンビネーションで、下り坂でもしっかり減速できる。

 スターターモーターを使わないアイドリングストップもユニーク。モーター・ジェネレーターが常時接続されているから、エンジン再始動もスムーズ。長時間オフが可能な「ロングモード」も搭載。

 もちろんオフロードにも適応していて、ハイラックス初となる6モードのマルチテレインセレクトが「ハイラックスらしさ」だろう。オート、砂、泥、雪、岩など対応OK。これまで以上に“どこでも行ける”ピックアップに進化しそうだ。

 V-アクティブモデルでも3500kgの牽引能力と5850kgのGCWR(総合重量)は維持しており、実用性についてはほぼ損うことがない。

 ここまでトヨタがやるってことは、もしかして1GDを搭載するランクル250やランクル70にだって技術的な応用は充分に可能性はあるのだろうか。当然ながらハイラックスのためだけとも考えにくいわけで、しかもオーストラリアでのテストとあればランクルシリーズへの「たたき台」としての説得力は非常に強い。

 すでにBEVのハイラックスのテストもしているトヨタだけに、まさにカスタマーが必要なパワートレインを選択することができる環境がラダーフレーム車種でも整っていきそうだ。タフなハイラックスは電動化も成し遂げるだろうし、環境対策にも着実に歩を進めている。

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