クルマの部品を作る際に生じる端材から本格ナイフが誕生!? 変速機メーカーのジヤトコが静岡県富士市周辺の職人さんや工場とともに手がけた「JATCO eco-knife “ARUNEMO”(アルネモ)」。子どものはじめての1本にもピッタリなサイズ感ながら、薪割りや火起こしもできちゃう実力派なんだからオドロキ!
文/写真:雪岡 直樹
【画像ギャラリー】このナイフ、クルマの素材が使われてるんだぜ! 友達にも自慢できちゃう!? なんだったらパパも欲しいぞ(10枚)画像ギャラリー自動車部品がナイフに!? この発想はアリだろ!
自動車がエンジンで作った運動エネルギーは、変速機を介してプロペラシャフトに伝わり、そしてタイヤを回して自動車は動いている。
この変速機を開発生産しているのがジヤトコだ。ギアを用いたAT変速機、CVT変速機やプーリーなどを生産している。
元々の素材からCVTプーリーを作る際に、どうしても端材が生まれてしまい今までは廃棄されていた。そこでSDGsの観点からも再利用できないものかと考えていたそうだ。
その際にキャンプ好き社員の発想から、この端材でナイフが作れるのでは?と考えたという。確かに自動車のCVTプーリーというものすごい力が加わる部分に使われる高強度の素材から作れば、そのまま高強度のナイフが作れるはずだ。
富士市周辺の職人さんや工場とともに手掛けた温かみある一品に
よく見回してみるとグループ企業の中には、加工、熱処理、研磨を専門とする部署を持つ会社もあった。自社の中でさまざまな物つくりを行っている企業ならではの強みを活かし、自社内で全ての工作が完了するという。
しかしながらナイフの持ち手である柄の部分や、収納するレザーケースなどは自社で生産できないことから、ジヤトコの本拠地である静岡県東部の富士市周辺の工場や職人に手伝ってもらい「JATCO eco-knife “ARUNEMO”(アルネモ)」が誕生した。
刃渡り54mm、持ち手の柄まで含めて143mmとコンパクトなナイフは、子供へのファーストナイフとして使いやすいサイズになっている。
これは子どもに火おこしやキャンプといった体験を通じて、思い出を残してもらいたいという想いが入っているという。持ち手の部分にはジヤトコの地元、富士ひのきを使っており、使い込んでいくうちにエイジングされて、使う人それぞれの風合いに変化していくのも楽しんでもらいたいという。
刃渡りが短いことで、子どもが使っても怖いという思いをさせない長さになっており、実際大人の女性が手に持つとちょうど良いくらいのサイズ感になっている。
小さいからと侮るなかれ! 性能はガチです!
だからと言って軟弱なナイフではなく、本格的な薪割りができるほどの強度を持っているほか、ナイフの背の部分と、火起こしセットのファヤースターターを使うと簡単に火起こしもできるようになっている。
ナイフの刃を覆うカバーと、火起こし用の麻を入れるポーチ部分も地元富士のレザーショップで作ってもらったものだ。カラーも全8色の予定が、限定カラーも含めて14色まで増えて展開している。
初期ロットは限定200本で多くの受注を受けているという。CVTの端材は定期的に発生するそうだが、ナイフを製作するために関係各所の調整をしながら生産するとなると、簡単に増産できないそうだ。ECサイトの他に富士市のふるさと納税返礼品にもなっているという。
自動車関連企業が作る本格的ナイフを手にとってみてはいかがでしょうか。













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