シボレーの伝統と革新が融合した「コルベットZR1X」がついにベールを脱いだ。最大1250hpのハイブリッドAWD、ゼロヨン9秒未満、サーキット走行まで視野に入れた新世代アメリカン・ハイパーカーの底力をここでじっくり味わってほしい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:シボレー
アメリカン・ハイパーカーの新たな頂点「ZR1X」
コルベットZR1Xは、由緒ある「ZR1」の名を引き継ぎながら、これまでのコルベット像を大きく超えてきたハイパフォーマンスモデルである。
何より注目すべきは、手組された5.5リッター LT7ツインターボV8エンジンと、前輪用電動モーターを組み合わせたハイブリッドAWDを採用したことだ。V8エンジン単体で1064hp、システム総合では1250hpというモンスター級のスペックを叩き出す。
メーカーリリースによると、LT7にはデュアル76mmターボチャージャーや鍛造フラットプレーンクランクシャフト、フィンガーフォロワーバルブトレイン、ドライサンプ潤滑システムといった、レースフィールドからフォードバックされた技術が惜しげもなく投入されている。
マニホールドとターボチャージャーハウジングを組み合わせた「マニターボ」排気設計や、タービンの回転低下を防ぐダイナミックアンチラグコントロールなどにより、ターボラグを感じさせない強烈な加速を見せる。
電動モーターで全輪駆動、サーキット適性も抜群
ZR1Xは、2024年型E-Rayで初採用された前輪駆動モーターをさらに進化させ、フロント側だけで186hp/197Nm(20.0kgm)をオンデマンドで発揮できる。
バッテリーパックは剛性の高いシャシー中央下部に配置され、世界中のサーキットで耐久性を確認済みというのも心強い。リチウムイオンバッテリー容量はE-Rayと同じ1.9kWhながら、使用可能なエネルギー量が増加させたことで、ラップタイムの短縮を実現している。
面白いのは、ZR1Xが最大時速260km/hに達するとリア駆動オンリーで走るモードに切り替わる点だ。車軸間に機械的なリンクが一切ないシステムのため、4WDの安定感とFRのドライビングプレジャーをシームレスに行き来できる。これぞ公道からサーキットまでを欲張りに楽しめるアメリカン・ハイパーカーである。
世界基準で見据えるサーキットパフォーマンス
GMが発表したパフォーマンス目標も胸熱だ。0-96km/h加速が2秒以下、0~400m加速が9秒以下で、その時点の速度は240km/h超え!
制動面でも抜かりなく、J59ブレーキパッケージを標準装備し、フロント16.5インチのアルコン製10ピストンキャリパーにカーボンセラミックローターを組み合わせる。これにより、コルベット史上最強のブレーキ性能を手に入れた。
テストでは、290km/hから193km/hまで減速する際に、1.9Gという減速Gが発生するほどの強力なストッピングパワーを発揮していたという。
さらにオプションのZTKパフォーマンスパッケージは、高ダウンフォース仕様のカーボンエアロを装備し、最高速度340km/h、約1200ポンド(約540kg)のダウンフォースを生み出すというから恐れ入る。
















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