日本全国の大学自動車部を取材し、活動内容を周知し、応援していこうというこの企画。今回、奥野大志氏は関西に飛び、近畿大学自動車部を取材させていただいた。ジムカーナを中心に、実に50名近い部員が日夜精力的に活動中だ!!
※本稿は2025年6月のものです
文:奥野大志/写真:奥野大志 ほか
初出:『ベストカー』2025年7月10日号
近畿大学といって思い浮かべるのは……BIG BLUE RACINGでしょ!
●「自動車部」とは?
自動車部は野球部や陸上競技部等と同じく体育会に所属する運動部。多くの私立大学が全日本学生自動車連盟(学連)主催のジムカーナやダートトライアルなどに出場している。
近畿大学はジムカーナを中心に活動。運転技術だけでなく、整備力も重要なポイントで、普段はガレージで整備やチューニングを行っている。
●近畿大学自動車部 活動内容
・正式名称:近畿大学体育会自動車部
・部員数:48名
・試合車:3台(GR86、EK9シビック、K12マーチ)
・活動場所:自動車部ガレージ
・活動日:毎週月、木曜日
* * *
みなさんは、近畿大学と聞いて何をイメージするでしょうか? 関西エリア最大級のマンモス大学? 阪神タイガースの4番、佐藤輝明の出身校? はたまた完全養殖に成功した近大マグロ? いえいえ。今日から近畿大学自動車部「KINDAI BIG BLUE RACING」を覚えてください。
実は近大自動車部とコンタクトするのは2024年のとあるイベント以来2回目。その時は、部員の多さに圧倒されたのを覚えています。若者のクルマ離れが叫ばれる昨今、なぜ近大自動車部に部員が集まるのか? そんなことを聞いてみたいと思い、大阪へ向かいました。
活動拠点となるガレージは、東大阪キャンパスから歩いて15分ほどのところにあります。敷地内に入ると話題の試合車、GR86の姿が。日本には数多くの大学自動車部がありますが、GR86を導入しているのは近大だけのはずです。
「近大自動車部は現在、総勢48名で活動しています。大会はジムカーナ中心で全関西と全日本に出場。さらにフォーミュラジムカーナにも参加しています。
直近の大会では2025年3月に行われた全関西学生ジムカーナの男子団体戦で優勝。雨の中、GR86でインテグラタイプRに勝つことができました。あの時はうれしかったですね」(辻野眞人主将)。
なんと部員数は48名。多くの自動車部が10人から20人程度であることを考えると、国内最大級の規模といって差し支えありません。そして、全関ジムカーナでの優勝。いくらGR86とはいえ、軽さとパワーに優れるインテRをウエットコンディションで破るのは大変なことです。
「GR86は三代前の主将の時に導入しました。導入にあたり、スポンサー活動を行い、地元、東大阪のウェルマーさんにドグミッションを提供してもらいました。ドグミッションを装着しているGR86はなかなかないと思います」(同)。
先述の男子団体戦に出場した選手は辻野主将を含め、3人。つまり、40人以上の部員の中から選手に選ばれないと、大会に出ることはできません。倍率は10倍以上。
この時は3人の速さが飛び抜けており、選手は自然と決まったそうですが、狭き門であることは間違いありません。そのため近大自動車部では近年、ロードスター乗りが急増。多くの部員が手軽な値段で買えるFR車のロードスターで腕を磨き、選手を目指しています。


















コメント
コメントの使い方