コンセプトモデルとして公開されると発売を望む声が殺到し、急遽発売が決定したというミツオカ M55。日本のクルマが輝きを放ちはじめた1970年代を想起させるミツオカ M55 Zero Editionに、ドンピシャ世代の鈴木直也氏が試乗!!
※本稿は2025年7月のものです
文:鈴木直也/写真:中里慎一郎、ミツオカ
初出:『ベストカー』2025年8月10日号
これは……和製アメリカンマッスル!?
●ミツオカ M55 Zero Editionのポイント
・光岡創業55周年記念モデル
・テーマは1970年代のグランドツーリングカー
・限定100台のZero Editionはすでに完売
・2026年モデルは先行予約受け付け中
今回試乗したミツオカM55は、光岡自動車の創業55周年を記念して企画されたモデルだ。ミツオカが本格的にカスタムカーを作り始めたのは1987年のBUBUクラシックSSKからで、そこから数えても38年。少量生産カスタムカー業界では世界的にも老舗と言っていい存在となっている。
ミツオカが成功した理由としては、背伸びをしないクルマ作りと地に足がついたマーケティングがあげられると思う。
カスタム化のベースには手頃な量産車を選び、商品性の“キモ”となるデザインは徹底してユーザーの好みに寄り添ってゆく。こういう堅実なクルマ作りこそミツオカの真骨頂。そこがブレていないのは素晴らしい。M55もまさにミツオカ流そのものだ。
ベースのシビックがGTカーらしさを演出
ベース車には現行FL型シビック(1.5Lターボ6速MT)を選び、デザインモチーフはアメリカンマッスルカーの代表格ダッジ・チャレンジャー。これがなかなかサマになっていてカッコイイ!
いまや日本では少数派となったクーペのカッコ良さを、アメリカンテイストを追加することで上手く引き出しているし、1.5Lターボと6速MTの走りも必要十分にスポーティ。FL型シビックの優れたハンドリングとあいまって、ファン・トゥ・ドライブな走りが存分に楽しめる。
そういえば、受注1000台突破という空前の大ヒットをカッ飛ばした前作バディも、デザインのモチーフとなったのは1980年代ころのシボレー・ブレイザーだったし、ロックスターはC2コルべットのオマージュ。1960年代のアメリカンデザインがユーザーに好まれていることに、ミツオカは気づいたみたいですね。























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