一昔前のクルマでは結構見かけた装備が、最近はめっきり姿を消している。タイヤの後方についていた泥除けもそのひとつ。なぜマッドガードやマッドフラップは消えてしまったのだろうか。最近のクルマに泥除けが付かなくなった理由を考えていきたい。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ、ホンダ、ホンダアクセス、三菱、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】パジェロからシビックやアコードまで!? ばっちり似合うSUVや意外なクルマにも装着されたマッドガード/マッドフラップ!(24枚)画像ギャラリーボディを守ってくれる結構いいヤツだったのに
マッドガードやマッドフラップと呼ばれるクルマの泥除け。ぶ厚くボディと同じ色に塗られて成型されているのがマッドガードで、板の形状をしたものがタイヤの後ろに付いているだけのものがマッドフラップと呼ばれる。
実際に装着が多かったのは、昭和から平成の中期ごろまで。RV車が流行した際には、泥除けに加えて、ボディスタイリングを整えるドレスアップアイテムとしての役割もあった。
マッドガードやフラップを付ける大きなメリットは、小石などの跳ねによるボディやフロア下部の傷つきを防いでくれるという点。雨水や泥跳ね、雪の飛散などを軽減するのもマッドガードの役割のひとつで、装着しておくとボディ側面の汚れや傷はかなり減ってくる。
また、ボディ後方やリアガラスへの汚れを軽減させるという意味合いも無くはないのだが、実際にリアガラスの汚れを軽減させるには、地面ギリギリまでマッドフラップを降ろさなければならない。実際にそこまでの長さがあるオプションパーツは用意されていないので、後輪からの跳ね上げによる汚れの予防には、あまり役に立たないのもマッドガードやフラップの側面。
ただ、非舗装路面で走る時には、その恩恵が大きい。アウトドアブームで、舗装路面以外を走ることが多いユーザーには、是非ともつけてほしい装備なのだが、いかんせん純正オプションの用意がほとんどなくなってしまっているから、装着すること自体が難しくなっているのだ。
意外とホンダの用意がいいんです
マッドガードを標準装備クルマはほとんど見なくなった。現行のカタログモデルではランドクルーザー70とハイラックスくらいだろう。
板状のマッドフラップは、本格クロスカントリーSUVによく似合う装備だ。ジムニーやデリカD5、ランドクルーザー250などには純正オプションが用意されているので、これらの車種を所有されている方で、興味がある方は是非ディーラーへ相談してほしい。もちろん後付けOKのパーツである。
さらに純正用品としてマッドガードを用意しているのが、トヨタではハイエースだ。ただ、ラリーイメージの強いGRヤリスやGRカローラなどには、純正オプションの用意が無いのは悲しい。クラウンやアルファードに用意しろとは言わないので、86を含めたGRモデルには、マッドガードかマッドフラップを用意してほしいぞ。
一方で、消えかけているマッドガードを、今もなお多数の車種にオプション設定しているのがホンダだ。その車種展開は非常に広く、SUVのZR-Vやヴェゼルはもちろん、フィットやシビックに、N-BOX・N-WGN・N-ONEといった軽自動車、さらにはオデッセイ・ステップワゴン・フリードといったミニバンにまで、ホンダアクセスが純正マッドガードを用意しているのだ。
そこまで数の出る装備ではないと思うが、これは立派。これからも、是非マッドガードの灯を絶やすことなく、展開を続けてほしい。


























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