クラウン4兄弟で完成? いやいや忘れちゃいけない最高峰「マジェスタ」の存在

クラウン4兄弟で完成? いやいや忘れちゃいけない最高峰「マジェスタ」の存在

 クロスオーバーの登場からスタートしたクラウン4兄弟。スポーツ・セダン・エステートと順に登場して、クラウンシリーズは完成となっているが、1台忘れてはならないクラウンがあるではないか。かつて、クラウンの最高峰に位置していたマジェスタが、現行クラウンには登場していない。マジェスタが復活するならどんな形か、その姿を考えていこう。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ

【画像ギャラリー】プレリュードも復活したし、各メーカーでいろいろ名車を復活させないか!? 我々は現代版マジェスタが見たいぞ!(11枚)画像ギャラリー

トップオブトヨタはマジェスタのもの

初代クラウンマジェスタ。登場は9代目クラウンと同時
初代クラウンマジェスタ。登場は9代目クラウンと同時

 1991年に初代モデルが登場したクラウンマジェスタ。荘厳という意味の車名の通り、マジェスタには時代の最先端をいく装備が数多く奢られてきた。クラウン自体は歴史を作っていくものであるが、マジェスタは未来を描くもの。そう表現されるほど、マジェスタの独立性は高く、クラウンからは一目置かれる存在だったのである。

 マジェスタと言えば、クラウンシリーズよりも全長・全幅が拡大したモデル。初代では、4ドアハードトップのロイヤルシリーズに比べて、全長が100mm、全幅が50mmスケールアップされていた。さらにハイクラスのエンジンを搭載し、防音・防振にも力を入れている。

 トヨタの中での唯一無二のドライバーズカーであり、ショーファーカーでもあるのがクラウンマジェスタの存在意義。現行クラウンセダンも良い出来だが、ショーファーカーとしては物足りない部分もある。トップオブトヨタに相応しい、上級のクラウンが今必要ではないだろうか。

LSになる必要は無いクラウンのままでいい

マジェスタやセルシオが積んでいた1UZ-FE型エンジン
マジェスタやセルシオが積んでいた1UZ-FE型エンジン

 そもそもクラウンマジェスタは、セルシオとクラウンの間に位置していたモデルだ。今で言えば、クラウンセダンとレクサスLSの間に位置するのが丁度いい。レクサスとは違う形で、トヨタの最上級を体現することが、マジェスタに求めらえるポジションなのである。

 まず車両サイズだが、現行クラウンでも全長5030mmと5mを超えているため、サイズアップは最小限にしたい。LSほど大きくせずに、5130mmくらいが良いところであろう。伸びた全長分は、後席足元の空間に使って欲しいところだ。

 エンジンには、LS500hにも搭載しているV型6気筒の3.5Lエンジンを搭載し、マルチステージハイブリッドシステムを組み合わせる。クラウンに用意されているFCEVは、クラウン独自のものとして考え、マジェスタへの搭載は見送ってもいいだろう。

 また、制振と防音には、こだわり抜きたいのがマジェスタ。足回りにはノイズリダクションホイールを採用し、ロードノイズを大幅低減。サスペンションには、マジェスタではお馴染みの電子制御エアサスペンションを採用したい。駆動方式には、AWDを用意することで、マジェスタらしさを出すとともに、クラウンセダンとの差別化もできる。

インテリアには一番の「らしさ」を

クラウン マジェスタのインパネまわり
クラウン マジェスタのインパネまわり

 現行クラウンセダンのインテリアは、フォーマルで使いやすい。ただ、兄弟車との兼ね合で独自のデザインができないこともあってか、ラグジュアリーかといわれると、少し物足りなさを感じる。特に、メルセデスのEクラスやBMWの5シリーズと比べたときに、内装には寂しさも感じてしまう。

 初代マジェスタでは、デジタルメーターのエレクトロマルチビジョンを全車標準装備し、ホログラムヘッドアップディスプレイを備えた。歴代マジェスタは、メーターやディスプレイの作りに力を入れており、5代目マジェスタのファイングラフィックメーターは、とても美しかったのを覚えている。現行クラウンセダンにも、こうした点は受け継いでほしい部分だった。

 仮にマジェスタ復活となるならば、メルセデスEクラスのように、ダッシュボード一面がディスプレイとなるような、電子パネルにこだわった内装が良いだろう。クラウンを超越したラグジュアリー空間を、マジェスタの中に作り上げてほしいのだ。

 ミニバンは、アルファード・ヴェルファイアのような高級路線から、現在の人気に火が付いている。セダン復権のためには、本気でラグジュアリーできるマジェスタのようなモデルが必要不可欠であろう。

 クラウン4兄弟から、少し独立性を持ったマジェスタの誕生。これが、世界に羽ばたくクラウンの、大きな飛び道具となるのではないだろうか。マジェスタの復活を期待したい。

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…