コストパフォーマンスの高い軽自動車やコンパクトカーが支持を集めているスズキ。先日、スズキ本社に隣接する「スズキ歴史館」を訪れたところ、コスパ王の原点と呼べるモデルを見つけました。それが1979年に47万円で発売され大ヒットを記録した初代アルト。現代に通じるスズキのクルマづくりのポイントを紹介します。
文:奥野大志(Team Gori)/写真:奥野大志(Team Gori)、スズキ
あるべき姿を追求し徹底的な合理化を追求
初代アルトのポイントは何と言っても47万円の価格。歴史館の展示エリアにも、それを強調する展示物があり、当時のカラーテレビ(ビクター製)の価格は14万円だそうです。カラーテレビ3台分ちょっとで軽自動車が買えたとは驚きですが、他のクルマと比べるともっと驚き。47万円は代表的国産セダンの約半額の価格で、スズキの他の軽モデルと比べて20万円ほど安かったそうです。
低価格を実現できた理由は、無駄を排し、徹底的な合理化を進めたから。具体的に言うと全国統一価格や4ナンバーの商用バン規格の採用、クラス分けの廃止、部品点数の削減など。展示ボードには「厚化粧の無駄と、飾りは一切捨てた」とありますが、その名のとおり、簡素な作りです。
ちなみに初代アルトが登場した1979年(昭和54年)は、軽自動車の規格が550ccに拡大されて、3年目の年。規格拡大や相次いだオイルショックにより、軽自動車の存在に疑問符がつきましたが、スズキは原点に立ち返り、アルトのあるべき姿を追求したのです。
現在のスズキにも活かされている実をとったクルマづくり
アルトは1984年に2代目へ進化。ファッショナブルなスタイリングやインテリア、日本初の運転席回転シートなどの装備が女性に受け、初代同様大ヒット。軽自動車のベストセラーモデルとしてのブランドを確立し、現行型の9代目までに受け継がれてきたのです。
こうして初代アルトを深掘りしていくと、現在のスズキの行動理念のひとつである「小・少・軽・短・美」に似た考え方は、当時から何かしらあったと推察します。実をとったクルマづくりは、昔から変わらないスズキの特徴です。スズキ党が指名買いする最大の理由がそこにあるのです。







コメント
コメントの使い方スズキには、徹底して顧客に安く新車を提供すること、続けていって欲しいです。
他社が値上げラッシュ、中には標準装備追加で実質値下げになってる所もありますが、
ほぼ同じ内容で大幅な値上げを、平気な顔してやりまくるメーカーが日本にも出てきてしましましたから