最近のクルマは燃費計が当たり前のように装備されており、エコドライブ度の判定までしてくれる機能を搭載するクルマもある。この燃費計、いったいどんなしくみになっているのか。燃費にまつわるちょっとした疑問を3つ集めてみた。
- 1.車載燃費計はどんなしくみなの?
- 2.ディーゼル車はなぜ燃費がいいのか?
- 3.アイドリングストップの効果はどのくらい?
ベストカー2016年6月26日号
1.車載燃費計はどんなしくみなの?
インパネのメーター内に表示される燃費数値。実際の使用感に近い印象の数値をはじき出してくるが、はたしてそのしくみはどうなっているのだろうか?
簡単にいうと、燃料使用量と走行距離から割り出されている。燃料使用量は、燃料噴射装置から噴かれた燃料の量を計測。
これに車速センサーから拾った走行距離のデータを使って、平均燃費を算出しているというわけ。瞬間燃費はその数値を数秒ごとに示している(メーカーによって変わるが、2秒前後が多い)。
その信頼性については、スバルは「実燃費に対して5%以内に収まるようにしている」とのことで、他社もほぼ同様。燃料噴射の量は排ガス規制にも関係することなので、その精度は高いのだ。
2.ディーゼル車はなぜ燃費がいいのか?
ディーゼルの強みは、熱効率のよさ。熱効率がいいから燃費もいいのだ。ただ、それでは素人にはよく分からない。技術関係のスペシャリスト、鈴木直也氏に解説してもらった。
「ガソリンエンジンは圧縮した混合気にスパークプラグで火をつけますが、ディーゼルエンジンは圧縮して高温になった空気に噴射ノズルから燃料が出た瞬間に燃焼が始まります。
変なたとえですが塩水を考えてみてください。ガソリンエンジンは水に塩を入れてかき混ぜ、きれいに混合させる必要があるけど、ディーゼルエンジンは真水に塩をポトンと入れるだけでいいというイメージ。
空燃比がどんなに薄くても安定した燃焼が可能です。しかも燃料の量で出力が決まりますから、吸気絞り弁(スロットル)が必要なく、部分負荷領域でもポンピングロスがありません。
このあたりが、ディーゼルが“熱効率がいい”という理屈の中核。それで車両に積んだ時の燃費もよくなるわけです」
3.アイドリングストップの効果はどのくらい?
近年発売されるクルマは、アイドリングストップがほぼ標準になったが、このアイドリングストップの効果、はたしてどの程度のものなのか? いま改めてテストしてみた。
テストはこうだ。社有車のハスラーで同じコースを走り、アイドリングストップを使った時と使わなかった時の燃費の違いを測定した。
5.3kmの走行で9回の信号待ちという、都心の一般道でありがちなシチュエーションを設定。結果はアイドリングストップありが16.4km/L、なしが11.4/Lと驚きの差がついた。
アイドリングストップなしでは赤信号で停止している時間が4分30秒あり、その間エンジンを動かしたままなのと止めるのとでは大きな差となる。
走るコースによって変わってくるのは言うまでもないが、アイドリングストップは予想以上の効果があった!
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