ようやく最高気温が30℃を下回る日も出てきましたが、記録的な暑さを乗り越えてきた愛車はもう「ヘトヘト」。特に夏の終わりから秋に移り変わるこのタイミングは、油断すると大きなトラブルに繋がります。そこで、エンジン、冷却系、バッテリー、タイヤ、そして意外と見落としがちなエアコンまで、季節変化に強い愛車づくりの実践ノウハウをお届けします。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(tarou230@Adobe Stock)
疲れがたまった今こそメンテナンスをする季節
季節の変わり目、特に「夏→秋」の期間は、クルマにとってはまさに“気の抜けない時期”です。猛暑の影響と気温変化が重なることで、部品の劣化・故障リスクが高まります。
ここでは、初心者の方でもできるポイントを交えながら、このタイミングで実施すべき5つのメンテナンスを詳しく見ていきます。
1:エンジンオイルとフィルターの交換を推奨
まず、重要なのがエンジンオイルとフィルターの点検・交換です。真夏の高温下ではオイルが酸化しやすく、粘度の低下や添加剤の消耗が進みます。走行距離が5000kmを超えていたり、半年以上交換していない場合は、早めの交換が推奨されます。
初心者でもできることとしては、エンジンが冷えている状態でオイルレベルゲージを抜き、オイルの量と汚れ具合を確認することです。量が少ない、または色が真っ黒なら専門店での交換を検討しましょう。
2:冷却系・クーラント交換
次に冷却系・クーラントの点検です。夏の間に蒸発や劣化が進み、冷却水の量や品質が落ちているケースがあります。リザーバータンクの上限・下限ラインを目視で確認し、下限を下回っていたり、水が濁っている場合は補充または交換が必要です。
初心者でもタンクの位置を取扱説明書で確認し、液量や色をチェックすることは十分可能です。ただし、交換や漏れ修理は専門家に任せたほうが安心です。
3:バッテリー点検、ターミナル清掃
バッテリーの状態も見逃せません。真夏は高温により化学反応が進み、バッテリーの寿命が縮む傾向があります。電圧が12.5V以下なら交換の目安とされ、ターミナル端子の緩みや白い粉のような腐食も要チェックです。
初心者ができることは、ターミナルの目視確認や、最近のバッテリーに付いているインジケーターの色チェックです。腐食があれば専用ブラシで軽く清掃し、必要に応じて接点グリスを塗布します。
バッテリーの劣化はサルフェーションが大きく関わっています。通常、バッテリーが放電する時は化学反応によって硫酸鉛(電気を通さない絶縁体の鉛)が発生しますが、発生した硫酸鉛は充電を行えば電解中に溶け込むようになっています。
しかし、放電を繰り返したり、長時間放電状態にしていると、電解中に溶け込むはずの硫酸鉛が硬くなってしまい、結晶化してしまいます。その結晶化された硫酸鉛は電解液の中にある負極板の表面に貼りついてしまいます。それがサルフェーションです。サルフェーションの量が多いほどバッテリーの寿命が短くなってしまいます。
しかし、パルス充電を行うことで回復させることができます。パルス充電とは、バッテリー充電中に電流に電気的な振動(パルス)を与えることで、電極板に付着した絶縁体の硫酸鉛を分解・除去し、バッテリーの性能を回復・維持する充電方法です。
例えば新車を購入し、数ヵ月に一度しか乗らない、また、新車で購入し、次の車検を終えた5年間で2、3回バッテリー上がりを起こしてしまったような場合だとバッテリーの劣化が早まってしまいますが、パルス充電を行うことで寿命を延ばすことができます。
久しぶりにエンジンをかけてみたら掛からなかった、家族で買い物にでかけてクルマに戻ったら、掛からなかった……、ということのないように、日ごろのバッテリーチェックやパルス充電器を使ったバッテリーメンテナンスを行うことをおススメしたい。













コメント
コメントの使い方