ジュネーブショー(現地時間:3月7日)で、量産モデルのシビックタイプRが公開された。
今夏には、10代目となるシビックが日本でも販売されることになっており、注目度は高い。
ただし、日本人に馴染み深いシビックといえど、新型モデルは全長4630mm、全幅1800mmと大型化され、かつての日本で支持されたクルマとはまったく別物になってしまっている。果たして日本で“売れる”のだろうか?
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年3月10日号
なぜ国内販売を決断したのか!? ホンダの戦略が疑問
まずは国沢光宏氏の見解から。
日本で販売するのであれば日本人が買ってくれるクルマを開発して投入するべき。ホンダはジェイド、グレイスと立て続けに売れないクルマを投入した失敗の過去がありながら、また同じ過ちを繰り返そうとしている。
アコードを見ればわかるように、アメリカ向けに開発したクルマは、デザイン面でもコンセプト面でも日本ではキビシイ。シビックも基本的にはアメリカ向けのクルマ。日本人に受けるとは思えない。
イチバンの疑問は、なぜホンダは「そこ」を理解しないのか!? ということ。
また、4ドアは日本の寄居工場で生産するというけれど、実情はジェイドやグレイスのラインが遊んでしまっているため。
北米向けは基本的には現地生産なのだが、北米の工場が手一杯のため一部寄居で北米向けの生産もして輸出する計画もあるようだが、トランプ大統領の政策により今は北米向け輸出を控えなければならない状況。これも間が悪い話だ。
4ドア/5ドアともに1.5Lターボ一本でいいのか!?
ベストカー編集部としてはダウンサイズターボ戦略自体には大いに賛同したい。ただ疑問として沸き上がるのは「ホンダがどこまで腹を括っているのか!?」が見えてこないということ。
ステップワゴンは1.5Lターボ一本で勝負をかけながらも、販売的にイマイチ期待値に届いていないと見るや、ハイブリッドモデルの追加投入の動きが見えている。
シビックは1.5Lターボのみでハイブリッドの搭載計画はないということだが、本当にそれで大丈夫なのか!? これに関しては本田技研工業寺谷公良執行役員日本本部長に直撃した。
「まずシビックについては日本国内での存在意義、価値をしっかりと高めていくことを考えています。
ミディアムクラスセダンのマーケットが国内では大きくないことは充分に認識しており、その中でどのようにシビックの価値を高めていくのかは、しっかりとマーケティング戦略を考えています。
販売的には4ドアセダンよりも5ドアハッチバックが売れると思います。パワートレーンについては欧州向けには直3、1Lターボがありますが日本向けでは計画はしていません。
ご質問のあったハイブリッドの計画もありません。1.5Lターボは乗っていただければおわかりいただけますが、とてもトルクがあって新型シビックの走りにはベストのパワートレーンと考えています」
さて、国内市場はどう反応するだろうか?
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