「免許を返したら、もうどこにも行けない」──そんな不安を解消する新モビリティが登場した。岐阜発のスタートアップ・キュリオが開発した「CURIO Q1」は、免許不要で歩道走行も可能な4輪EV。ジャパンモビリティショー2025で初公開された注目の一台だ。
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
免許不要で走れる“新しいクルマ”――近距離移動の常識を変える「CURIO Q1」
高齢化が進むいま、「免許返納後の移動」をどうするかは社会的な課題のひとつだ。株式会社キュリオ(岐阜県岐阜市)はその課題に真正面から挑み、“自転車でもクルマでもない”新ジャンルの4輪モビリティ「CURIO Q1」を開発した。
11月9日に閉幕したジャパンモビリティショー2025(東京ビッグサイト)で初披露されたこの車両は、免許不要で走れるにもかかわらず、クルマに近い安心感と安定性を備える点が特徴だ。
特定小型原付の枠を最大限に活かした「4輪の安心感」
「CURIO Q1」は、特定小型原動機付自転車の規格に適合する電動モビリティ。つまり、運転免許が不要でありながら、4輪構造による高い安定性を実現している。また、歩道走行モード(最高速度6km/h)を備え、交通量の多い道路でも安心。近距離移動に特化した設計で、「買い物」「通院」「地域移動」など、日常の“あと5km”を支える存在だ。
クルマのような操作感で、誰でもすぐに乗れる
ハンドルにはアクセルとブレーキを装備し、従来の電動カートよりも直感的な操作が可能。キュリオは豊田合成の技術支援を受け、乗用車向け試験施設での走行安全検査や高齢者の試乗テストを重ねた。その結果、シニアはもちろん、観光地や宅配事業者、ホテル・ゴルフ場など幅広い用途での導入が見込まれている。
また、Q1は家庭用100Vコンセントで充電可能。約120円で50km走行できるという経済性も魅力だ。車体サイズは全長175cm×幅59cmとコンパクトで、駐輪スペースにも収まる。都市部の短距離配送や離島での移動、観光地でのレンタル利用など、「小さなEV」市場の有力候補となる可能性がある。
“免許返納後の不自由”をなくす、新しい選択肢
開発のきっかけは、キュリオがこれまで販売してきた時速6kmの電動カート「SCOO」シリーズ利用者からの声だったという。「もう少し速く、もう少し遠くへ行ける乗り物がほしい」──。そんな声に応え、“自分の足で動く喜び”を取り戻すための一台としてQ1は生まれた。同社の高橋陽介代表はこう語る。
「免許を返しても、“自由に動ける喜び”を失わせたくない。Q1は、その思いから生まれたモビリティです」
免許がなくても走れる「CURIO Q1」は、シニアの足としてだけでなく、観光・配送・業務など社会全体の“5km圏モビリティ革命”を起こす可能性を秘めている。

























コメント
コメントの使い方どれも雪の降らない所を前提の開発ですね。
積雪がある地域では お話になりません
これでは免許返納は進まないように思います。