月に200店のディーラーを回る遠藤徹氏。その遠藤氏が足で稼いだディーラーでの最新情報を毎回お届けするのがお馴染みの「地獄耳スクープ」。
今回はヴィッツハイブリッドの投入で動向が期待されたアクアのマイナーチェンジ、そして絶好調なCX-5とワゴンRの動向に迫ります。
文:遠藤徹/写真:平野学、トヨタ、スズキ
ベストカー2017年4月10日号
ヴィッツHV投入でアクアも改良時期に
トヨタは5月のゴールデンウイーク明けにもアクアをマイナーチェンジする見込みです。
内外装のデザイン変更に加え、新グレードの設定、ボディカラーの見直し、内装の材質変更、安全対策の充実化、実燃費の向上などによる商品ラインアップの強化が行われます。今回は中程度の手直しとなります。
年初にヴィッツにハイブリッド車を設定したことで、ヴィッツに人気がシフトし、アクアの販売が大幅なマイナスになっていることから、今回のモデル改良によって、どこまで人気を回復できるか注目です。
次期型に引き継ぐのは2018年末と予想されます。次期型ではプリウス同様、次世代クルマづくりの考え方であるTNGAを採用し、FF車のほかに4WD車も設定される見込みです。
CX-5が絶好調、この勢いはどこまで続く?
昨年12月15日に発表、今年2月2日に発売したCX-5は好調な滑り出しを見せていますが、今後ともこのペースで売れ続けるかは微妙な状況となっています。
月販計画を2400台に設定したのに対して、すでに受注累計は1万台を突破していますが、最近になって売れゆきが落ち着きはじめており、今後早めに頭打ちになる可能性があります。
決算セール期間は実質年利2.99%と通常より3ポイント低い低金利の残価設定クレジットを設定しているものの、ほかに買い得企画はなく、新車効果だけが頼りになっていました。
値引きも車両本体から5万円程度を基本に引き締めています。
今後、受注ピッチに頭打ちの傾向が続くようだと、早めに値引きを拡大させるか、オプションサービスの設定でカバーせざるを得なくなるかも知れません。
ワゴンRはN-BOXを抜いてトップセラーになれるか?
2月1日に発表、発売したスズキの新型ワゴンRの売れゆきが好調なスタートを切っています。売りのメインは新開発のマイルドハイブリッド搭載車で、滑り出しは受注の90%を占めています。
新シリーズでは標準のワゴンRをノーマルとスタイリッシュなFZに分け、さらにスティングレーを加えた3つのフロントマスクを設定。
初期の受注では、標準のワゴンRが80%でうち40%ずつがノーマルとFZ、残りの20%がスティングレーという構成比でスティングレーがやや苦戦している印象です。
スティングレーは縦型ヘッドランプと2分割&大型アンダーグリルの組み合わせで強烈な個性を強調したデザインであることから、現時点では好き嫌いが分かれている状況だと思われます。
また、従来スティングレーのデザインテイストを受け継いでいるのはFZであることから、こちらのほうが受注比率は高くなっていることがうかがえます。
シリーズトータルの月販目標は1万6000台であり、これを達成するとホンダのN-BOXを上回り、軽自動車トップに浮上することになります。
ただし、ホンダは7月上旬にもN-BOXをフルモデルチェンジする予定で、当分は両モデルのデッドヒートが続くことになりそうです。
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