近頃、新車を注文してから納車されるまで、半年から1年かかるのが普通になってきた。クルマによっては数年単位で待たされるものもあり、消費者の「待つ」感覚も、少し変わってきているのかもしれない。注文から3か月待つのが「長い」と言っていたのは、たった数年前のことである。しかし、新車納期が長い今でも、非常に短い待ち時間でほぼ新車に乗り換える方法がある。年末年始に買いの時期を迎える、登録済み未使用車を紹介していきたい。
文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=scharfsinn86@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】ほぼ待ち時間ゼロで新車に!? 登録済未使用車は知ってると得する!?(4枚)画像ギャラリー軽自動車ではめちゃくちゃ多いのよ! 不思議な存在の登録済未使用車
中古車販売サイトやディーラーのイベント広告でよく見かけるのが「登録済未使用車」という言葉。まず、このクルマがどんなものなのかを紹介していこう。
読んで字のごとくなのが、正体は「登録を済ませたが使われていないクルマ」だ。登録済みということは既にナンバープレートが発行されており、車検証もあるわけだが、特定のユーザーの手には渡っていないクルマということ。
販売会社が所有権を持っていて、厳密に言えば、ほぼ新品同様の状態の中古車というわけ。
ただ、中古車とは言え新車状態からほとんど走行せず、走行距離が十数kmのクルマたち。普通に使うのであれば、新車と何も遜色はない。デメリットとしては、好きなメーカーオプションを選べないということと、ワンオーナー車ではないので、リセールの面で少しマイナスというくらいだろう。
登録済未使用車が生まれる理由
新車ディーラーでは、日々お客様からの注文を受け、メーカーに新車をオーダーしている。基本的には、オーダーしたクルマが、オーダーした仕様で、オーダーした数だけ届くのだが、中には「毎月〇台注文してね」と注文台数の最低値を決められている車種も存在する。
指定された台数を顧客への営業活動で売り切ることが求められるのだが、売れない月があるのも事実。こうした場合に、メーカーへオーダーしても顧客の元へ渡らない余った新車が生まれることとなる。これが登録済未使用車の原点だ。
こうして生まれた余剰のクルマは、一定期間「在庫車」として販売される。人気の色やオプションを付けて発注してあるので、ここで買い手がつく場合も多い。
狙い目は年末年始!!
在庫車としてもユーザーの手に渡らなければ、ディーラーで使用する試乗車や社用車に化けるコースもある。しかし、このコースにも乗れないクルマは、いよいよ登録済未使用車へと生まれ変わることとなるのだ。
ここで行われる「登録(ナンバー取得)」もディーラーの実績になるため、登録は決算期や年末に行われることが多い。決算の数字を良くするためや、シェア争いに勝つために、登録済未使用車を使うこともあるのだ。
特に多いのは年末の登録。これは正月の初売りで、登録済未使用車を目玉商品にできるため。ここが登録済未使用車の買い時でもある。








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