日本では定着してないけど……アメリカ人を熱狂させる「NASCAR」を徹底解説!!

日本では定着してないけど……アメリカ人を熱狂させる「NASCAR」を徹底解説!!

 NASCARは過去に日本でも開催されたが、ブームになるほど定着しなかった。しかし、全米では一番人気の自動車レースなのだ。そこで、自ら参戦経験があり、現在は配信番組でレース解説も務める桃田健史氏がNASCARについて指南する。

※本稿は2025年10月のものです
文:桃田健史/写真:TOYOTA GAZOO Racing、TEAM CHEVY、FORD、DAYTONA 500
初出:『ベストカー』2025年11月26日号

【画像ギャラリー】とりあえずレースを見て!! 食わず嫌いは絶対損をする……NASCARってこんなに面白いんすよ!!(24枚)画像ギャラリー

いったいどんなレース?

20世紀のNASCARマシンは灯火類もドアもない無骨なマシン。NASCARは「ポスター」のアクセントで読んでいただきたい
20世紀のNASCARマシンは灯火類もドアもない無骨なマシン。NASCARは「ポスター」のアクセントで読んでいただきたい

 「NA」にアクセントでNASCAR(ナスカー)。全米最大級のモータースポーツなのだが、日本ではちょっと馴染みが薄い。1990年代に鈴鹿ともてぎにアメリカからトップドライバーを招聘したが、その事実を知らない人もいるだろう。

 最近では日本国内向けネット配信番組でトップカテゴリーの「NASCARカップシリーズ」を全戦お届けしていることもあり、ボディブローのようにジワジワ? と認知度が高まっている印象がある。なおNASCARとは、ナショナル・アソシエーション・フォー・ストックカー・オート・レーシング)の略称だ。

 1970年代まではその正式名称のとおりストックカー(量産車)をベースとしていたが、現在はパイプフレームを基本とした専用設計車体の純粋なレーシングカーだ。

1990年代に比べ見違えるように洗練された第7世代のマシン
1990年代に比べ見違えるように洗練された第7世代のマシン

 メーカーが違っても車体は共通化されており、またボディ形状についても各メーカーの市販車をイメージながらも空力的にはほぼ差がない。タイヤはグッドイヤーのワンメイク。

 イコールコンディションの徹底で、勝負の決め手はドライバーの力量とクルーチーフのレースストラテジー。

 300km/h超えの高速オーバルでビッグワン(多重クラッシュ)が頻発したり、燃費とタイヤマネージメントによってレースの終盤で大ドンデン返しが起こったりと、レース展開がとても派手だ。

 アメリカならではの迫力満点、予測不可能なところがNASCARの魅力である。

【豆知識】どんなカテゴリーがある?

 NASCARは全米に展開しているレース運営企業。プロフェッショナルレベルでは、カップシリーズ、エックスフィニティシリーズ、そしてトラックシリーズ。そのほかに全米各エリアでのローカルシリーズが数多く存在し、ローカルのスタードライバーもいる。

2025年の参戦メーカーとそのマシンは?

トヨタ カムリXSE。トヨタは2024年シーズンから日本未発売のカムリXSEで参戦中。ハンマーヘッドの顔が精悍
トヨタ カムリXSE。トヨタは2024年シーズンから日本未発売のカムリXSEで参戦中。ハンマーヘッドの顔が精悍

 NASCARカップシリーズでは、現在GMシボレー「カマロ」、フォード「マスタング」、そしてトヨタ「カムリ」の3メーカー3モデルが参戦中。

 マシンレギュレーションは数年ごとに変更されるが、現在は2022年導入の第7世代。トランスミッションがHパターン4速から5速シーケンシャルに進化。

 車体は大きく改良されたが各メーカー共通。最大の違いはエンジンで、各メーカー本社のレース関連開発部とトップチーム系のエンジンチューナーが協業してNASCAR専用エンジンを開発している。

 排気量5.8LのV型8気筒は吸気制限などによって最高出力は700馬力弱。超高速走行が連続するスーパースピードウェイでは吸気制限をさらに加えることで最高出力は通常レースより100馬力以上低下する。

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