普段よく耳にしているクルマの名前。私たちの名前一つ一つに大きな意味があるように、クルマの名前にも様々な思いや願い、意味が込められているのだ。今回はトヨタ車の名前にスポットを当てて、普段何気なく使っている車名に隠された意味や思いを探っていく。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新しいランクルFJの登場がチョー楽しみ! センチュリーもまさに新世紀の到来感MAX! 名車にはふさわしき名前がある!!(17枚)画像ギャラリークロカンSUVに付いているFJってどんな意味?
先日登場し、今大注目のランクルFJ。過去にはFJクルーザーというクルマもあったが、この「FJ」とはどこから来ているのだろうか。FUJI(富士)JAPAN(日本)の頭文字のようにも見えるが、これはランドクルーザーの歴史を紐解いていくと名前の意味が理解できる。
ランドクルーザーという車名が付く前、トヨタは警察予備隊への納入を狙ってジープBJ型というクルマを作った。BJはB型エンジンを載せたJeepから来ている。この車体へ、B型エンジンのボアを拡大して排気量を拡大し、各部を強化したF型エンジンというものが載せられるようになり、これをFJ型と呼ぶようになった。
FJ型の後継はランドクルーザー20系や40系。特に40系のイメージが色濃く残るFJクルーザーには、FJ40型ランドクルーザーからFJの型式をとって、「FJクルーザー」と名付けられている。
ちなみに、ランクルFJの「FJ」も同じ意味と思いきや、公式にFJの意味は「Freedom&Joy」とされていて、FJ型ランドクルーザーとの関係性には触れられていない。しかし、ランクルの血を継承しているなら、ランクルFJにもFJクルーザー同様の名前の意味があると考えていいのではないだろうか。
GR86はなぜ86なのか
86と言えば現行型のGR86が真っ先に思い浮かぶが、「ハチロク」と言えば、アラフォー以上のオジサンたちには違うクルマが思い浮かぶ。そう、AE86型のカローラレビン・スプリンタートレノだ。GR86の車名は、このレビンとトレノの車両型式である「AE86」の数字から来ている。
トヨタは86という車名について、AE86型レビン・トレノのように、お客様に愛されて育てていただきたいという思いから名づけたとしている。ちなみに、GRの部分は「TOYOTA GAZOO Racing」のGAZOO Racingの部分のイニシャルを取ったものだ。
車両型式がそのまま車名になったのは、ランドクルーザー70も同様。自動車ファンが使い続けてきた呼称が、正式車名として扱われるのは非常に感慨深い。
洒落た車名のついたトヨタ車たち
クラウン(王冠)やカローラ(花冠)の冠シリーズ(過去にはカムリという冠をそのままもじったクルマもあった)や、センチュリー(世紀)やMIRAI(未来)といった時間をモチーフにした車名も多いトヨタ。
そして車名にクルマそのものの存在を強く入れ込んだ車名がミニバンには多い。例えばシエンタだ。シエンタはスペイン語で7を示す「シエテ」と楽しませるという意味の「エンターテイン」を組み合わせた造語になる。7人乗りのシエンタならではの車名だ。
さらにアルファードは星座の中で最も明るい星をあらわす「α(アルファ)」と、大きいという意味の「Grand」を組み合わせた造語。ヴェルファイアは物静かなという意味の「Velvet」と情熱の「Fire」を組み合わせた造語である。どちらもクルマの雰囲気にピッタリの名前だ。
何気なく目や耳にする車名だが、その意味を掘り下げていくと結構面白い。あなたの愛車の名前は、どんな意味だろうか。調べてみると、愛車の新たな顔が見えてくるかもしれない。




















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