GT-Rは中古市場で高止まりか? 登場13年でも平均700万円超!??

GT-Rは中古市場で高止まりか? 登場13年でも平均700万円超!??

「日本独自のカルチャーを反映させた初のスーパーカーが日産GT-Rである。」まだ日産自動車に在籍していた当時、GT-R開発担当者の水野和敏氏にインタビューした際に話をしてくれた。

 2007年10月に開催された東京モーターショーで国内外のマスコミが大挙して、集まったカンファレンスでGT-Rがアンヴェールされてから、すでに丸13年が経過した。

 デビュー当初777万円だった新車価格は最新の2020年モデルで、エントリーグレードのピュアエディションでも1082万8400円と300万円値上がり。さらにハイパフォーマンスモデルのNISMOは2420万円となった。そこで、今回は2007年に登場した日産「GT-R」の軌跡を振り返りながら、最新の中古車事情に迫ってみる。

文/萩原文博
写真/NISSAN、編集部

【画像ギャラリー】登場から13年! GT-Rのデザインの変遷と最新モデルの詳細を紹介!


■登場から13年 熟成を極めたスーパーカー「GT-R」

 2007年12月より販売開始された日産R35型GT-Rは、「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトに基づいて開発されたマルチパフォーマンス・スーパーカーだ。

日産のフラッグシップスポーツとして君臨するGT-R(写真は2020年モデル)。毎年進化を遂げ、いまだに月70台と好調な販売を維持している。しかし、2022年騒音規制による生産終了説も聞こえる

 エンジンをフロントに搭載し、クラッチ、トランスミッション、トランスファーを車両後方に移動させ、リアファイナルドライブと一体化した独立型トランスアクスル4WDを採用そしてV35型スカイラインで採用したFM(フロントミッドシップ)パッケージを進化させたプレミアムミッドシップパッケージを採用するなど、画期的なパッケージングを採用している。

 搭載されている3.8L V型6気筒ツインターボエンジン「VT38DETT」はプラズマコーティングボアシリンダーやエキゾーストマニホールド一体型ツインターボを採用することで、最高出力480ps、最大トルク60.0kgm(588Nm)を発生。組み合わされるミッションは新開発のGR6型デュアルクラッチトランスミッションと呼ばれる6速AT。

最新の2020年モデルが搭載する「VT38DETT」(570ps/65.0kgm)。タービン効率の向上が図られ、さらに加速力が磨かれた

 タイヤにはGT-R専用に開発されたランフラットタイヤを装着し、サーキットをはじめとする超高速走行から雨のアウトバーン、路面の荒れた市街地でもしっかりとしたグリップと日常のユーティリティを高次元で両立させている。

 GT-Rは水野氏の「毎年進化させる」という言葉どおり、2008年12月に一部改良を行う。エンジンそしてコンピューターの制御の精度をアップさせ、最高出力を485ps、燃費性能を8.3km/Lに向上した。また、新構造のショックアブソーバーの採用。フロントバネレートのアップを含むサスペンションの改良を行っている。2009年の一部改良では、カーボンセラミックブレーキを装着したスペックVを設定した。

 2010年には初のマイナーチェンジを行い、フロントバンパーにハイパーデイライトを装備するなど内外装を変更。さらに、エンジンの最高出力は530ps、最大トルク62.4kgm(612Nm)に向上した。また、オーダーメイドでクルマを仕立てられるEGOIST(エゴイスト)という最上級グレードを設定している。

 2011年の一部改良ではエンジンの効率化により、最高出力550ps、最大トルク64.4kgm(632Nm)に向上。また、左右非対称のサスペンションセッティングの採用し、安定した上質な乗り心地に磨きを掛けている。そして、2013年に2度目のマイナーチェンジを行い、ヘッドライトにLEDポジショニングランプによるランプシグネチャーを採用。リアコンビネーションランプにもLEDランプを採用するなど内外装を変更。

 また、ボディバランスやサスペンションをチューニングすることにより、上質な走りを追求している。そして、同時にハイパフォーマンスモデルのGT-R NISMOを追加した。そして2014年には静粛性などを向上させる改良が加えられた2015年モデルが発表されている。

 2016年7月に現在販売されているGT-Rのほぼ同じスタイリングとなった2017年モデルを発表した。外観でサインではフロントからリアに至るまで大幅なデザイン変更を行い、開口部の拡大により、冷却性能を向上させながらも、空気抵抗・ダウンフォースは従来どおりをキープ。インテリアもナッパレザーを多用し、高級感を演出。ナビのディスプレイも7インチから8インチへと拡大させると同時に操作系も大幅に変更されている。

 搭載されているエンジンは最高出力が570ps、最大トルク65.0kgm(637Nm)まで向上した。また、ハイパフォーマンスモデル「GT-R NISMO」もマイナーチェンジを行い、内外装が変更されると同時に、エンジンは専用のチューニングを施すことで、最高出力600psまで高めている。

 2017年の一部改良では車両防盗システムのグレード拡大やアップルカープレイの対応と小幅なものだったが、2019年4月に発表された2020年モデルは、エンジンのターボチャージャーに変更を加え、またサスペンションを新しいセッティングを採用するなど、より街乗りでの快適性が重視した仕様変更が行われた。同時にGT-R50周年記念の特別仕様車が設定されるなどアニバーサリーに相応しい進化を遂げている。

走行性能に特化したGT-R NISMO。絶対的な販売台数は多くないものの、GT3マシンなどモータースポーツ車両も手掛け、日産に利益をもたらす存在だ

 駆け足でGT-Rの歴史を振り返ったが実際に行われている改良は書ききれないほどのメニューとなっており、特別仕様車も50周年記念車をはじめ、2019年1月の大阪なおみ選手日産ブランドアンバサダー就任記念モデル、2014年に販売された45周年記念モデル、2013年のスペシャルエディションが設定されている。

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