「家族がいるからスポーツカーには乗れない」は過去の話。走りが楽しめ、同乗者の快適性も両立した“二刀流カー”は確実に増えている。通勤から週末のドライブ、そして子どもの送り迎えまで。趣味も家族もあきらめない、スポーティカー5台を紹介する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:写真AC、トヨタ、ホンダ、マツダ
二刀流カーの条件を満たす3か条
1つ目は、走行性能と快適性が両立されていること。走りが楽しく、家族も不快にならない静粛性や乗り心地が必要だ。2つ目は荷物を積める後席スペースやチャイルドシート取り付け部を備え、ベビーカーが入る広い荷室を備えていること。3つ目は燃費や衝突軽減ブレーキなどの安全装備で、これらをバランスよく備えるクルマが“二刀流カー”だ。
その筆頭は「スバル レヴォーグ STI Sport R」。広い荷室のステーションワゴンボディと、電子制御ダンパーの恩恵で乗り心地がよく、高速安定性も高い。エンジンは1.8Lと2.4Lの2種類。2.4Lはハイオク仕様でコスト面では不利だが、組み合わされるトランスミッションの変速スピードとレスポンスがよく、運転を楽しめる。
2つ目は「マツダ3 ファストバック」。素直なハンドリングと6MTも選択できる点が貴重だ。内装の質感は国産トップクラスで、静粛や快適性はファミリー層にも好評。スポーツカーに見えすぎずオシャレな点も家族から支持される理由だろう。長距離移動が多い人はディーゼルモデルもアリだが、ちょい乗りや走り重視の人にはガソリンモデルをおススメしたい。
3台目は「ホンダ シビックe:HEV」。2Lエンジンと2モーターによるパワフルな走りが楽しめる。しかも、実燃費はWLTCモードで約24km/Lと非常に優秀。レギュラーガソリン対応なのもうれしい。シビックには6MT専用のガソリンモデルのRSも存在するが、快適性や燃費性能の面で今回はe:HEVを推すことにした。
より走りに振った二刀流カーならこの2台
ここからはより走りを重視したい人向けの2台を紹介する。1台目は「スズキ スイフトスポーツ」。小型ボディ×軽量ターボで、家族も乗れるホットハッチとして最強の呼び声高い1台だ。フィットも魅力的だが、コスパやアフターパーツの豊富さでこちらを推したい。スイフトスポーツはすでに生産を終えているので、欲しいなら今だ。
2台目は「トヨタ GRカローラ」。強烈な加速とGR-FOURの安定性をもちながら、5ドアハッチバックとして後席も荷室も実用的で、本格派の走り×家族仕様として一押しモデルといえる。6MT(iMT)のブリッピング制御も優秀で、シフトダウンの際もヒール・アンド・トゥは不要。難しいテクニックを習得せずともMTの運転が十分楽しめる。
また、8AT(GR-DAT)モデルのミッションはモータースポーツで勝つことを目的に開発されただけあって、素早い変速が可能。車両状態をモニタリングし、サーキットを最速で走る最適なギヤを選択してくれる。走行性能や運転の楽しさは申し分ない一方、純正マフラーとは思えない大きな排気音と、硬めの足回りが家族に受け入れられるかが懸念点だろう。
最近のATはスポーツモードで見違えるほど変わるため、MTを選ばずとも走りを楽しめるモデルが多い。平日と休日で走りを切り替えられることは、二刀流カーの大きな魅力。スイフトスポーツやGRカローラのように、走りに妥協しないクルマでも日常使いは十分こなせるだろう。





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