ジャパンモビリティショー2025で、スバルはフォレスターとアウトバックの2つのウィルダネス、スバルBEV第二弾のトレイルシーカーなどを出展。しかしやはり注目は、STIからお披露目された2台の新モデル、パフォーマンス-E&パフォーマンス-Bだ!!
※本稿は2025年11月のものです
文:ベストカー編集部/写真:スバル、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2025年12月10日号
スバルが目指す「矛盾の調和」
スバルの新たな旗印としてお披露目された「パフォーマンス-E STIコンセプト」は、次の時代の“速さ”を、スペックではなく五感で証明する新味。同車はBEVのアドバンテージを徹底的に利用し、運動性能と実用性の両立を正面から狙う。
低いフロアに電池を搭載し、全高は抑えつつ、キャビンは広く、視界はひらけている。これは、スバル360の時代から続く人中心パッケージングの原則を、最先端の電動パッケージで再構築した証だ。
リアシートも妥協なし。ロングホイールベースで重心を下げつつ、スペースはしっかりと確保。毎日使える戦闘力というキャッチが実にふさわしい。
スタイルはSTIらしいダイナミックな造形。だが、単に派手さを追求しているわけではない。ホイールハウス周りの空力処理は乱流を削ぎつつ、ブレーキ冷却や意匠との綱引きを逃げずに成立させた。
結果、ダウンフォースとCdの緻密なバランスが実走行域で効いてくる模様。低いフードは視覚的な緊張感を生み、姿勢は鋭く、けれど破綻はしていないのが魅力。
動力源であるバッテリーは、採用する低ハイトの円筒バッテリーを、床下にフラット配置し、セル側面を直接冷やす熱マネジメントで、温度を適正レンジに保つ。
この結果、瞬発的な大出力に対応しやすく、周回を重ねても性能の持続性が高い。加えて、同等容量での軽量化も狙えるというのが開発陣の見立てだ。
クルマの状態を人へ伝える音と振動をあえて設計。高応答・高精度のモーター制御でトルクの立ち上がりを語るように調律し、騒音、振動、ハーシュネスは単に消すのではなく意味ある情報へと変換する。
結果、ドライバーが速度計ではなく、耳と手で限界を感じられるようにセッティングされているのだ。
さらに、レイアウトはリア基調のハイパワーAWD。前後トルク配分と回頭モーメントを“手足のように”操れる味付けで、意のままのライン修正が可能になる。
スバルが目指すのは、静かなのに昂ぶる、優しいのに鋭いという矛盾の調和だ。走りは、まだ熱くなれる可能性が広がっている。
スバルが「いま持つ資産」を活用した“育てるスポーツ”
2025年6月、スーパー耐久の場で「スポーツモデルの開発を進めている」とサプライズ発表。
「もっと気軽に楽しめるスポーツが欲しい」とプロジェクトがスタートした。コンパクトな車体に、水平対向エンジンを搭載。シンメトリカルAWDに6速MTなど、スバルがすでに持っている技術を組み合わせた。
もうひとつの挑戦は育てることで、ソフトウェアのアップデートを通じてクルマを磨き続ける。今回のコンセプトモデルは最終形態ではなく、違ったカタチで世に放たれる見込みだ。























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