気軽に遊べるスポーツモデルが激減してしまった昨今だが、中古に目を向ければ面白いクルマがまだまだ残っている。
なかでもNA車が中心のホンダ中古スポーツは、タマ数もあって選択肢も色々。
今回はかつてのライトウェイトスポーツを盛り上げたシビックを取り上げる。
文:永田恵一/写真:茂呂幸正
ベストカー2017年3月26日号
元祖“スポコン”といえばこれ!
今回の試乗した5代目シビックSiR II、実はちょっと特殊な仕様になっていた。
本来は170psの1.6L VTECエンジン搭載のところ、試乗車は初代インテRが積んでいた200ps/19.0kgmの1.8L VTECエンジン、B18Cにスワップされていたからだ。それでも、シビックの魅力は十分体感することができた。
シビックとしては5代目となるこのEG型。時代の流れとはいえシビックが時間の経過とともに肥大化し続けたこともあり、「元気、明るい、若々しい」といった視点であれば、最もシビックらしいといえるモデル。
EG型シビックといえば10年以上前、20代半ばに友人2人が乗っていた1.5L VTEC車のVTiが思い出深い。
で、その次のEK型シビックを買おうとしたが、予算が足りず最終型AE111レビンで我慢した経緯があるからだ。
国沢師匠の弟子からフリーに昇格した2008年末、EG型の兄貴分、DC2型インテグラ(タイプRではなく、丸目4灯の前期型Si VTECだったのが実に私らしいのか!?)を買った思い出がある。
久々にEG6に乗って初めに感じたことは「小さい!」ということ。絶対的なサイズに加え、視界のよさも関係しているのか、この点は現代のクルマが失ったことだと思った。
また、EG型シビックに乗るとどうしても以前に乗っていたDC2のことも思い出してまうのだが、よし悪しではなく、ダッシュボードの質感や着座位置などで2台が意外に明確に性格分けされていたのも新たな発見だった。
1.8L VTECは自分が乗っていたDC2もそうだったが、トルクが細いかわりにカムが切り替わった時の凶暴さに興奮する。
1.6Lに対し、1.8Lは切り替わりの変化は少なめながら全域トルクフルで実戦的に速いという個性を持つ。
今の時代から見るとEG型シビックを「いいクルマ」とはとてもいえないが、危うさも含めて「クルマは完成度だけではない」という視点から見るなら、EG型シビックで元気に走ってみると気持ちが若返りそうな気がする。
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