日本のEVにも、徐々に選択肢が増えつつある。2025年9月に登場したホンダ N-ONE e：は、日本のお家芸である軽自動車タイプのEV。となれば競合車種となるのは人気の日産 サクラ。ここではライバル関係にある軽EVの2台を比較する。
※本稿は2025年11月のものです
文：鈴木直也／写真：ベストカー編集部、ホンダ、日産
初出：『ベストカー』2025年12月26日号
「使える」軽EVはどっちだ!?
話題の軽EV2車の比較で千葉鴨川を往復してみた。
N-ONE e：で、ベストカー編集部のある護国寺からアクアライン経由で館山道を目指す。
日常使いではN-ONE e：の走りにまったく不満なし。EVらしいスムーズな加速感と静粛なクルージングは軽の平均を大きく上回って快適。1時間足らずで君津PAに到着する。
特に節電に気を使うことなく流れに乗って走ったためか、この間の電費は予想外の7km/kWh割れ。これはちょっと残念な数値だ。
続いて君津から鴨川へ抜けるワインディングでサクラと乗り比べ。
ここで見直したのが、サクラの優れたシャシー性能だ。
サクラもN-ONE e：も低重心なのは同等なのだが、その美点をうまくアピールしているのはサクラ。低い速度域からスイスイっと操舵のキレがよく、ロール感も安定。
対してN-ONE e：はEPSのセッティングがぼくの好みとは遠く、ステアフィールがもっさり。攻めるとだんだんイイ感じになるけど、「軽は日常の足では？」という違和感が残る。
航続距離ではN-ONE e：優勢だが、サクラにも意外な美点あり。この勝負、意外に接戦だった。
航続距離ならN-ONE e:だが質感ならサクラ
バッテリー容量の差から、航続距離ではN-ONE e：が優勢だが、ハンドリングのリニアリティではサクラが大健闘。
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