どうしてもトヨタが好きで、トヨタの内情を知りたい!! と自腹でレースやラリー現場に足をはこぶ大学生くま吉くん。そんな彼もジャパンモビリティショー2025へ潜入! 普段はトヨタ好きを公言して憚らないくま吉くんだけど、なんと今回は日産 パトロールを調査しちゃうぞ!
文:大学生くま吉くん/写真:大学生くま吉くん、トヨタ、日産、ベストカーWeb編集部
パトロールがついにやってくる! 本格大型SUVがまた1台日本に!
世界の砂漠・荒野・悪路で“ランドクルーザー最大のライバル”として知られる日産パトロールが、長い歴史の中で再び日本市場に上陸することが発表された。世界規模で見れば、両車とも“本格クロカンの覇者”として並び称される存在で、信頼性、耐久性、走破性能、いずれも“生きるか死ぬか”の舞台で磨かれた本物の性能を持つ。
そんなパトロールだが「パトロールがランクルを意識しているのか、くま吉君なら教えてくれるんじゃない?」ベストカー(塩川編集長&本郷総編集長)のアドバイスを受け、日産に取材してみることに。
そこでジャパンモビリティショーの会場で、日産パトロールの担当者、そしてパトロールのデザイン開発者に、“ランドクルーザーを意識している点”を、どストレートに聞いてきたので紹介していく!!
パトロール誕生の背景と70年の歩み
とその前に、日産パトロールの歴史について簡単に振り返りたい。日本では影の薄いパトロールだが、日本でも大人気のランドクルーザーと同様、歴史は非常に長い。
パトロールの歴史は、1950年に発足した警察予備隊(現在の自衛隊)向けの小型四輪駆動車の開発と製造を、日本政府が自動車メーカーに打診したことから始まる。その際、最終的に残ったのが“日産パトロール”、後のランドクルーザーとなる“トヨタ BJ1951”、そして三菱重工業の“ジープ”だ。
残念ながらパトロールは警察予備隊向けの車両として選ばれなかったが、そこから歴史を重ねることで一般ユーザーにも広く浸透していくことになる。その後、モデルチェンジのたびに改良が続けられてきたが、日本市場では2002年を最後に新車販売終了。
そこから20年以上の間、日本市場にパトロールが上陸することはなかったが、世界でその人気が衰えることはなく、特に中東地域では高い性能と信頼性もあり、ランクルと同様に人気を博してきた。
ズバリ、ランクルを意識している!?
ズバリ“日産パトロールはトヨタランドクルーザーを意識している”のか、パトロールの担当者に聞いてみると、「もちろん意識しています!」との答えが返ってきた。やはり日本で一番売れている本格SUVがランドクルーザーである以上、そこは日産としても強く意識する“ターゲット”になってくるそうだ。
そのうえで、逆にランドクルーザーとの差別化を進め、「やっぱりパトロールのほうがいいな」と思っていただけるように開発を進めてきたことを教えてくださった。では、日産はどこでランドクルーザーと差別化しようとしているのだろうか。
成功のシンボルに相応しい内装
まず開発者が教えてくれたランドクルーザーとの差別化のひとつが、“圧倒的な高級感”だ。
実際、筆者もパトロールの室内に入れていただき取材を行ったが、乗ってすぐに感じたのは「とにかくデカい」「空間が広々としている」、そして「高級感がすごい」ということ。この点についてパトロールのデザイン開発者は、室内空間は“大黒柱”のような存在感を意識して作っていると説明してくれた。一般的なSUVでは、大型コンソールや水平基調のデザインが定番だが、パトロールではその定番を活かしつつ、情報機器の配置を工夫し、より広く、快適に感じられるように仕上げているという。
さらに、運転中の空間把握性を高めるため、あえてドアとダッシュボードを“切る”デザインを採用している点も特徴だ。「ここまでが自分の空間」「ここから先が外の空間」と自然に理解できるよう、視覚的な境界線をつくったことで、高い空間把握性を実現している。
思わず筆者が「本当に高級感すごいですよね。正直ランドクルーザーよりも高級感あると思います」と伝えると、開発者は、「特に中東のお客様にとって、パトロールは“成功の象徴”になっています。だからこそ、非常にハイエンドな商品を届けたいという思いがあります。シートも含めて、高級感があり、長時間座っても痛くならない、そうした方向性を強く意識して作っています」と語った。中東で“成功の象徴”とされるパトロールだからこそ、ランドクルーザーとは違う、圧倒的な“豪華さの方向性”が生まれているのだろう。
車両のサイズを活かしたクルマづくり
もう一つ、開発者が大きな差別化ポイントとして教えてくれたのが、パトロールの圧倒的な“サイズ感”だ。パトロールは幅と高さの大きさはもちろん、全長も5メートルを超え、現行のランドクルーザーシリーズで最も巨大な300と比較しても明らかに大きい。
実際、パトロールを目の前にすると、パッと見ただけでその“サイズ感”に誰も驚くはずだ。パトロールは元々、砂漠などアラブ諸国での使用を想定したモデルであるため、仕方がない面もあるが、日本の道路事情を考えると「ちょっと大きすぎるのでは?」と、筆者のような素人目線では感じてしまう瞬間もある。
しかし同時に、日産はこのサイズをあえて“差別化ポイント”として意識しているという。
圧倒的サイズが生む広さと快適性
その圧倒的なサイズが生む恩恵の、一つが“空間の快適性”である。これは先ほど触れた内装の高級感とも深く関係しているが、とにかくパトロールの室内は広い。特に驚いたのが3列目シートでの快適性だ。
一般的な大型SUVでは「7人乗りです」「3列目も使えます」と言いつつも、実際には3列目が狭かったり、大人が座ると窮屈に感じたりすることは珍しくない。しかしパトロールでは、19歳の筆者が一番後ろの席に座ってみたところ、非常に余裕があり、快適に座れる空間が確保されていた。
むしろ「大衆車(ヤリスやノートなど)の後席より快適なんじゃないか?」と思うほどだ。これを可能にしているのも、まさにこの“巨大なサイズ感”だろう。
【画像ギャラリー】エスピノーサCEOもお気に入りの1台!! ランクルのライバル大本命パトロールをトヨタ好き大学生が取材してみた!!(10枚)画像ギャラリー
















コメント
コメントの使い方