払った分取り戻すには年間2万キロを3年間!? とりまノアで比べてみた! HVと純ガソリン車「トータルコスト」はどっちが安い!?

払った分取り戻すには年間2万キロを3年間!? とりまノアで比べてみた! HVと純ガソリン車「トータルコスト」はどっちが安い!?

 燃費性能はハイブリッドモデル。いやいや安いのはガソリン車と、クルマの経済性については、色々な意見が出てくる。これは実際どうなのだろうか。HEVと純ガソリン車、購入から3年間でどれだけかかるお金に違いが生まれるのか、詳しく検証してみた。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ、ベストカーWeb編集部

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ノアのガソリンとHEVで比較してみた

現行ノアのガソリンモデルS-Gグレード。Xグレードもガソリン
現行ノアのガソリンモデルS-Gグレード。Xグレードもガソリン

 今回比較対象とするのは、HEVとガソリンモデルが併売されているノアとした。ノアのガソリンとHEV車では、購入時にどちらがお得になるのだろうか。グレードはS-Zの7人乗りで比較する。

 まずはガソリン車から。車両本体価格は357万9400円、諸経費には自動車税環境性能割が8万7800円、自動車重量税が4万9200円かかる。その他登録諸費用はHEVもガソリンも同様で、諸費用は合計23万7050円(2025年1月登録の場合)となり、支払合計は381万6450円だ。

 次にHEV車。車両本体価格は392万9200円、諸経費では自動車税環境性能割と自動車重量税が0円だ。その他登録諸費用はHEVもガソリンも同様で、諸費用は合計10万50円(2025年1月登録の場合)となり、支払合計は402万9250円となる。

 購入時の単純な比較だと、21万2800円、ガソリン車の方が安くなるということが分かった。

3年間のランニングコストでは

ノアのハイブリッドモデルであるS-Zグレード。ハイブリッドを象徴する青バッジがついている
ノアのハイブリッドモデルであるS-Zグレード。ハイブリッドを象徴する青バッジがついている

 次に3年間のランニングコストを考えていきたい。毎年かかる自動車税種別割は、ノアの場合同一排気量区分となるため、年間3600円で同一。自動車保険料は、車両保険を加えた場合、若干ではあるがHEVモデルの方が車両保険の付帯金が高くなるため、保険料は上がってくるが、その差はそれほど大きくない。

 3年間のなかで、最も大きく変わってくるのはガソリン代だ。今回は年間走行距離5000kmの場合と、1万kmの場合で比較していこう。

 まずはそれぞれのWLTCモード燃費を確認しておきたい。ノアのガソリン車は14.8km/L、HEV車は23km/Lである。ガソリンの価格は1リッターあたり153円(執筆時の全国平均小売価格)で計算していく。

 年間走行距離5000㎞の場合。ガソリン車では5000㎞走るのに必要なガソリンは337.8Lとなる。これにガソリン価格を掛けると、5万1683円となり、これが1年間のガソリン代。仮にこれを3年間同一条件で続けたとすると、ガソリン代は15万5050円となる。

 次にHEV車の場合。5000㎞走るのに必要なガソリンは217.3Lとなる。これにガソリン価格を掛けると3万3246円となり、これが1年間のガソリン代。3年間では9万9740円となる。

 年間走行距離5000kmの場合、HEV車の方が3年間で5万310円安くなる。

 年間走行距離が1万キロの場合は単純に差が倍になるため、HEVの方が3年間で10万620円安くなるという計算だ。

一体ガソリンとHEVどっちがお得なの?

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 購入代金では、21万2800円ガソリン車の方が安くなったノア。HEVは、燃料費でこの差を取り戻さなければならないが、年間走行距離1万キロでも3年間で取り返せたのは10万620円で、購入価格の差の約半分となった。

 つまりは、現在のガソリン価格の場合、年間2万キロの走行を3年間続けるか、1万キロの走行を6年間続けて、やっと購入費用の差がペイできるということになるのだ。年間走行距離が5000km程度の場合には、ガソリンとHEVの購入価格差を取り戻すのに、12年もの歳月がかかる。

 現在の日本の自動車保有ユーザーにおける、年間の平均走行距離は5000km程度、1台のクルマの保有年数は7年程度ということを考えると、この平均値の近くにいるユーザーにはガソリン車の方が保有期間のトータルコストがお得になるということが分かった。

 今回算出した損益分岐の走行距離や使用期間を頭に入れながら、自分にとってどちらがお得な選択になるのかを、考えてみてもらいたい。

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