本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

 想像もできないようなスピードで走るサーキットに比べれば、一般道は安全で事故のリスクもない。そのように信じている人も多いかもしれないが、長年クルマとレースの両方に向き合ってきたプロからすると、この認識は必ずしも正しくない。むしろ予測不能なリスクが最も集中しているのは一般道である。中谷明彦氏が実体験をもとに、その理由を掘り下げる。

文:中谷明彦/画像:ホンダ、ポルシェ、三菱、ベストカーWeb編集部ほか

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むしろ一般道の方がキケン!?

1977年登場ホンダ CB250T HAWK。1979年には6速ミッションとなってCB250N HAWKが登場した
1977年登場ホンダ CB250T HAWK。1979年には6速ミッションとなってCB250N HAWKが登場した

 「一般道は安全で、サーキットは危険」と多くの人はそう考えるかもしれない。しかし、長年クルマと向き合い、レースと一般道の両方を走ってきた立場から言うと、この認識は必ずしも正しくない。むしろ、最も多くの危険が潜んでいるのは一般道である。

 私は18歳で運転免許を取得して以来、大きな人身事故や物損事故を自ら起こしたことはない。一方で、被害者として事故に巻き込まれた経験は決して少なくない。それは、約40年前の大学生時代に遡る。

 当時、私はホンダ CB250 HAWKで通学していた。250ccのオートバイである。現在とは異なり、監視カメラやドライブレコーダーが普及していない時代で、交通の安全意識はドライバーやライダー個々の判断に委ねられていた。

 都内の渋滞した片側三車線の国道で、2輪車が左端をすり抜けて進む光景はごく日常的なものだった。当時としては道路交通法的にグレーゾーンで、取り締まられることはほとんど無かった。

 ある日、道路左端を走行して交差点に差しかかかり、青信号を確認し、その流れのまま交差点へ進入した瞬間、渋滞列の間から突然クルマが右折してきた。

 いわゆる「右直事故」である。相手は、渋滞しているから安全だと判断し、左端を走行する2輪車の存在を想定していなかったという。だが道交法的には直進車に優先権がある。フルブレーキをかけたが間に合わず、前輪が車体側面に衝突。私はクルマの反対側まで跳ね飛ばされてしまった。

自分の運転ミスでなくとも事故は起きる

ポルシェ 911(964型)カレラ2。ATであってもマニュアルシフト操作のできる「ティプトロニック」が搭載されていた
ポルシェ 911(964型)カレラ2。ATであってもマニュアルシフト操作のできる「ティプトロニック」が搭載されていた

 幸いにも負傷は軽い脳震盪で済んだが、この一件は、一般道に潜む「予測不能な危険」を強烈に意識させる出来事だった。この事故を機に、通学手段をオートバイからクルマへと切り替えた。

 しかし、クルマに替えたからといって危険が消えるわけではない。夜間に青信号で交差点を抜けた直後、前方が渋滞しており、その最後尾で停止した瞬間、後方から強い衝撃を受けた。追突事故である。

 当時、父親から借りて乗っていた日産 スカイライン1800GLは、トランクが原形を留めないほど潰れ、前方の車にもぶつかる3台が絡む事故となった。追突事故は、自分がどれほど注意していても防ぎようのないケースが多い。

 その後も、1992年に新車で購入したポルシェ 911(964型)カレラ2が、納車された直後にディーラー前の赤信号停車中で追突されるという経験をした。さらに数年後には、首都高速で落下物を避ける減速渋滞の中、ポルシェ 911ターボが後方不注意の車両に追突されている。

 これらはいずれも、自身の操作ミスによるものではない。一般道では、他者の判断ミスが直接自分のリスクになる。これがプロドライバー同士が競うサーキットレースとの決定的な違いである。

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