一般道の方が予測不可能!?

レースでは接触事故も起こるが、多くの場合予測可能だ。勇気をもって引き際を判断すれば回避できるシーンがほとんどなのだ。
1986年、三菱 スタリオンGSRを駆り、東名高速を鈴鹿サーキットへ向かっていた際の出来事も忘れられない。追い越し車線で大型トラックを追い抜こうとした瞬間、車列の中から一台が突然車線変更してきた。
咄嗟の回避操作により車両は直線ドリフト状態となり、中央分離帯のガードレールが視界前方を左から右へと流れていく。反対車線への飛び出し、あるいはガードレールへの激突、横転、大破を覚悟したが、フルカウンターとスロットル操作で辛うじて制御を取り戻でせた。
その直後、背後には大型観光バスが迫っていた。そのバスも、ブレーキを激しくロックさせ、タイヤスモークをあげて迫ってきていた。もし衝突していれば、結果は想像に難くない。
一般道はジェントルに! 思いっきり走るならサーキットへ!
この時、4輪に装着していた175サイズのスノータイヤが、高速安定性を著しく損ねていたことも事実であり、車両条件と環境要因が重なった典型的な危険例だった。こうした経験を重ねる中で、逆説的に「サーキットは安全だ」という認識が自分の中でカタチ作られていった。
対向車も歩行者も存在せず、万が一の際には即座にレスキューが入る。参加するドライバーのスキル水準も揃っており、相対速度差が小さい。結果として、致命的な事故に至る可能性は一般道より低い。
一般道では、速度を上げれば情報処理量が増え、判断ミスのリスクも跳ね上がる。しかも、どれだけ急いでも到着時間はせいぜい数分しか変わらないだろう。そのわずかな満足のために、大きな危険を背負う合理性はない。
だからこそ、多くのレーシングドライバーは普段、一般道では決してスピードを出さない。速さによる危険性を知っているからこそ、一般道では抑制的になる。思い切り走りたいなら、当然場所を選ぶべきだ。一般道ではジェントルに、クルマの性能や限界を試すならサーキットで。
それが、長く高性能車を楽しむための、最も確実な方法と言える。
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