本当に危険なのはどっちだ!? 一般道とサーキットを走り続けたプロが出した結論 一般道に潜む危険の正体とは!?

一般道の方が予測不可能!?

1982年に登場した三菱 スタリオン。生産終了までGSRグレードは複数の派生が存在した。中谷明彦氏は1985~1988年までJTCでラリーアートのスタリオンを駆った。1986年からは高橋国光とコンビを組む
1982年に登場した三菱 スタリオン。生産終了までGSRグレードは複数の派生が存在した。中谷明彦氏は1985~1988年までJTCでラリーアートのスタリオンを駆った。1986年からは高橋国光とコンビを組む

 レースでは接触事故も起こるが、多くの場合予測可能だ。勇気をもって引き際を判断すれば回避できるシーンがほとんどなのだ。

 1986年、三菱 スタリオンGSRを駆り、東名高速を鈴鹿サーキットへ向かっていた際の出来事も忘れられない。追い越し車線で大型トラックを追い抜こうとした瞬間、車列の中から一台が突然車線変更してきた。

 咄嗟の回避操作により車両は直線ドリフト状態となり、中央分離帯のガードレールが視界前方を左から右へと流れていく。反対車線への飛び出し、あるいはガードレールへの激突、横転、大破を覚悟したが、フルカウンターとスロットル操作で辛うじて制御を取り戻でせた。

 その直後、背後には大型観光バスが迫っていた。そのバスも、ブレーキを激しくロックさせ、タイヤスモークをあげて迫ってきていた。もし衝突していれば、結果は想像に難くない。

一般道はジェントルに! 思いっきり走るならサーキットへ!

とんでもない速さで走っているように見えるサーキットだが、慣れた人にとっては一般道よりも安全な場合も
とんでもない速さで走っているように見えるサーキットだが、慣れた人にとっては一般道よりも安全な場合も

 この時、4輪に装着していた175サイズのスノータイヤが、高速安定性を著しく損ねていたことも事実であり、車両条件と環境要因が重なった典型的な危険例だった。こうした経験を重ねる中で、逆説的に「サーキットは安全だ」という認識が自分の中でカタチ作られていった。

 対向車も歩行者も存在せず、万が一の際には即座にレスキューが入る。参加するドライバーのスキル水準も揃っており、相対速度差が小さい。結果として、致命的な事故に至る可能性は一般道より低い。

 一般道では、速度を上げれば情報処理量が増え、判断ミスのリスクも跳ね上がる。しかも、どれだけ急いでも到着時間はせいぜい数分しか変わらないだろう。そのわずかな満足のために、大きな危険を背負う合理性はない。

 だからこそ、多くのレーシングドライバーは普段、一般道では決してスピードを出さない。速さによる危険性を知っているからこそ、一般道では抑制的になる。思い切り走りたいなら、当然場所を選ぶべきだ。一般道ではジェントルに、クルマの性能や限界を試すならサーキットで。

 それが、長く高性能車を楽しむための、最も確実な方法と言える。

【画像ギャラリー】スタリオン、ポルシェ911、スカイライン、CB250T…… どれもサーキットではなく一般道で事故に遭った!? 実体験が語る「予測不能なリスク」!(14枚)画像ギャラリー

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