2025年12月5日、トヨタから待望のGR GTとGR GT3が発表された。それを記念して、トヨタのスポーツモデルを一手に担うブランド、GRの市販モデルの系譜を改めて辿ってみよう。GRの歴史を振り返りつつ、GR GT&GR GT3を待て!!
※本稿は2026年1月のものです
文:片岡英明/車両解説:永田恵一/写真:トヨタ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年2月10日号
GRはトヨタの「第3のブランド」に
トヨタのモータースポーツ活動を担っているGAZOO Racingが手掛けるGRモデルは、レース、ラリーによって得られたノウハウが注ぎ込まれている。GRモデルの頂点に君臨するのがGRMNで、2009年のiQ GRMNが市販モデルの第一弾となる。
GRMNは台数限定のスペシャルチューニングモデルだったが、2019年にスープラが17年ぶりに復活した時がターニングポイント。GR初のグローバルモデルとしてGRスープラと命名された。この時にトヨタ車のチューニングブランドから、トヨタ、レクサスに次ぐ第3のブランドとなった。
実はGRスープラの車名は国交省に認可されておらずトヨタ社内の呼称だったが、GRヤリスで初めて正式車名となった。
GRのグローバルモデルは、2026年3月でGRスープラが生産終了となるため、GRヤリス、GR86、GRカローラの3車種ということになるが、どのモデルもスペシャルな存在に感じるのは、トヨタのブランディングの妙だろう。
ここからはグローバルモデルを除き、頂点のGRMNを中心にGRの系譜、そして2026年から1~2年後のモデルについて見ていこう。
GRMNを頂点とするGRの歴代モデル

トヨタの「GR」は、モータースポーツ部門のトヨタGAZOO Racingに由来するスポーツモデルブランドだ。レースやラリーなどモータースポーツ車両の技術と情熱を市販車に注ぎ込み、運転して愉しいクルマに仕立てている。
モータースポーツのDNAを色濃く受け継ぐGRブランドは、乗る人の好みやライフスタイルに合わせて3つのチューニングモデルを設定した。ヒエラルキーは、上から「GRMN」、「GR」、そして「GR SPORT」となっている。
頂点に君臨する「GRMN」は、ボディからパワーユニットまで、最高レベルのチューニングを施したメーカー公認のコンプリートカーである。ちなみに「GRMN」はGAZOO Racing Meister of Nurburgringの頭文字を取ったもの。
「GRMN」は、プロドライバーとともに鍛え上げたフルチューンモデルで、限定生産車としている。その最初の作品は、2009年に100台だけ限定生産されたiQ GRMNだ。

第2弾は、2012年にiQに過給器を装着してスープアップを図ったGRMNスーパーチャージャーで、こちらも100台限定。翌2013年にはコンパクト2ボックスのヴィッツをターボで武装し、豪快なホットハッチに仕立てている。これが第3弾、200台限定発売したヴィッツGRMNターボだ。
第3弾までは小兵だったが、2012年12月にハイソカーのマークXをベースに、サスペンションをファインチューニングしたGRMNがベールを脱いでいる。コンセプトは「大人のスポーツFRセダン」だ。
3.5LのV型6気筒DOHCエンジンに6速MTを組み合わせ、サスペンションにも手を入れた。これは2015年に限定100台で販売されたが、好評だったことから2019年に350台が追加の形で発売されている。
公道だけでなくサーキットを走らせても軽やかに向きが変わり、操る楽しさは格別だ。テクニックを磨くのにも最適なセダンだった。ファンの期待に応え、同じリア駆動のトヨタ 86にもGRMNを誕生させている。こちらは2016年に100台限定で発売された。

2018年にはヨーロッパ市場にもGRMNを送り込んでいる。日本ではヴィッツを名乗っていたヤリスをベースにしたGRMNだ。400台の販売だったが、ヨーロッパのマニアを魅了している。日本でも同じ年にヴィッツGRMNを150台限定で発売した。
2019年は「GR」にとって大きな転機の年となっている。基本メカニズムをBMWのZ4と同じくするスープラがGRブランドから登場したのだ。ただし、これはチューニングしたコンプリートカーではない。
強烈な印象を残したのはWRCで大暴れしているGRヤリスを発展させたGRMNヤリスだろう。2022年に500台限定だったが、最大の特徴はレースでのフィードバックを反映したアップデートプログラムが用意されていること。購入後も進化させることが可能だ。
【画像ギャラリー】実は世界一の量産スポーツカー王国!! トヨタのスポーツモデルを一手に担うGRブランド(32枚)画像ギャラリー

































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